第四話
ここからは勇者一行と魔王の戦いが起こってからのお話…
ゲホーデン「勇者一行が戻ってくるまでひとつずつ国を滅ぼしていくとしよう。そうすれば勇者たちは必ずこの世へと戻って来るはずだ…」
それから魔王軍は約1年という怒涛の速さでZ国からL国までの国を滅ぼしていった。
ゲホーデン「…勇者一行はまだ戻ってこないのか。活路を見出す事が出来るのが勇者と思っていたが…どうやらまた見当違いだったようだな…まあ良い。次はK国を滅ぼすとしよう。…行くとするか。」
そこから約24日でK国を落とした。
ゲホーデン「…どこの国も一月持たずに落ちるな。まったく…軍の育成がなってないんじゃないのか?魔王軍は統率の取れた優秀な兵士が多いと言うのに人間の兵士はまとまった動きが出来ずに孤立して、ただ無駄死にする事が多い。おまけにK国は兵器の各情報を漏らす始末だ…そろそろ来る頃合いだな。あんなもの、恐るるに足らん。…こんな事で玉座を離れては、魔王の威厳が無い…避けずに受け止めてやろう。………む?」
そこへ勇者一行が来る。
ゲホーデン(…極悪非道の魔王を演じなければな。)
ゲホーデン「……ほう?寝そべりながらやってくるとは…なんとも滑稽だな?クックック…」
勇者「ゲホッ…ゲホッ……はっ!」
ゲホーデン「病人の攻撃など、簡単に…なっ!?」
勇者が自爆魔法で突撃してきた。
ゲホーデン(確かに、今一番効果的なのは自爆だ…だが、勇者にこれほどの覚悟があるならば何故このタイミングで来たんだ…?謎だ…残った3人の心を読むとしよう…だが、言葉に間があっては不自然…心を読むタイミングが大事だな。)
ゲホーデン「うぬぬ…なんという奴よ……貴様らも同じ事をするのか?クックック…そんな事をしても私は倒せないぞ?」
僧侶「ゲホッ…ぁぁあ!」
僧侶が自爆してくる。
ゲホーデン(…あの魔法使いには不思議な繋がりを感じる…先にあの戦士を挑発し、あいつと二人きりの状況を作ろう…)
ゲホーデン「…さあ、次はどっちだ?魔法使いか?筋肉野郎か?」
戦士「…ゲホッゲホッ!…ほっ!」
戦士が弱々しく自爆する。
ゲホーデン「これで分かっただろう?クックック…自爆しようが私には通用せん…!」
魔法使い(…なんなのよ、どうしたいのよ…)
ゲホーデン「…なに、少し心を読ませてもらえればそれで良い。」
魔法使い(…?心が読まれてる…?)
ゲホーデン「私にとって、不可解な事があってな…それを知れたらお前にかけた呪いを解除してやる。どうだ?悪い話ではなかろう。」
魔法使い(…分かったわよ。)
ゲホーデン「さあ、何があったのか私に見せよ!」
魔法使いの心を読む。
ゲホーデン「…なるほど、そういう事か。」
魔法使い( …これで満足?)
ゲホーデン「満足だ。さて…そろそろか?」
魔法使い(…?)
ズドドドドドドドドドド!
ゲホーデン「ぐっ…来たか…!」
咄嗟に魔法使いも一緒にバリアで守る。
ゲホーデン(…私は…何故こいつまで守った?私は今、極悪非道の魔王…それを演じなければならないのに、何故…)
ゲホーデン「何故だろうか、私は魔王であるのに…何故…何故…?」
魔法使い「ゲホッ…ゲホッ…どうし…ゲホッ!」
ゲホーデン「…そうか…この魔力は…人でもあり…魔物でもある…不思議な…そうか…こやつは…私の妹であったのか…!…クックック、良くぞ戻った!妹よ!共に世界を征服しようではないか!」
ゲホーデン(何言ってるんだ…!何故妹と共に世界を征服するんだ!馬鹿じゃないのか!?世界を征服出来るのは魔王である私だけだ…!)
魔法使い「ゲホッ…なら…呪いを解除して…」
ゲホーデン(ご…極悪非道を演じれば問題無い…!)
ゲホーデン「それは出来んな。そうだな、お前には私の魔力の供給源となってもらおう。」
ゲホーデン(正直意味不明だが、とにかく脅す…!)
魔法使い「え…ゲホッ!」
ゲホーデン「お前は魔族よりも、人の血の方がより強く表れている……そして、人の魔力を吸収すると魔族はより強くなれる!さあ、私の力の糧となれ!クックック…!」
魔法使い「う…ゲホッ…うああぁ!」
魔法使いが力強く自爆する。
ゲホーデン「ぐっ……クックック…」
ゲホーデン(本当だったら妹に会えて感激している所だが…私は、妹に対して絆を持って良いような者じゃない。それがここで証明されたのだ…)
ゲホーデン「これで証明されたな…所詮、姉妹の絆など脆いものだ………絆……………もう、後戻りは出来ない。覚悟しておかねばな……次はI国とH国、G国を攻め落とす。H国とI国は四軍から十軍に任せ私は一軍から三軍を率いてG国に向かうとしよう。これからは勇者一行の動きも活発になるだろうな…だが、世界のためにも勇者一行にはしっかり動いてもらわねば。そのためにもこれから極悪非道の魔王を演じ続ける…!」
これから極悪非道の魔王を演じ続けると心に決めたゲホーデンだった…
次回に続く
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