僕は◯した?
あおとしろ。
僕が殺した少年
息を吐くと白く濁る冬の話。まだ1月というのに白い景色を見られない。小学生に戻って雪合戦したいななんて考えてた日の夜のことだった。僕は・・・。
人を殺した。
殺してしまった。
その日の夜、1人の少年を手にかけてしまった。理由はそう難しくはない。ある日「死にたい」と少年は言った。僕は死を食い止めるために毎日一緒にいた。一番近くで寄り添い、少年が放つ怒りや苦しみを受け止めた。そんな日が何日も続き、少年は再び口を開き「死にたい」と言った。あの日よりも辛そうな顔で。そして僕は少年を殺してしまった。手をかける瞬間、少年は幼い男児のような笑顔を見せて。血で染まった手と飛び散った血痕を消し、少年を深くに埋めた。そして彼が好きだった花を供えてやった。花言葉なんてどうでも良く僕はただ少年が少しでも喜ぶようにとその花を置いた。
少年が死んでから月日が流れ、もう梅雨の時期に入った。それにも関わらず少年を心配する声や探す人はいなかった。ましてや家族でさえ心配する様子も無かった。僕は不可解な出来事に困惑し、少年について話を持ち込んでみた。
「(少年の名前)くん、いなくなったんですよ?」
すると大人は皆口を揃えて、
「何を言ってるんだい?」
「今、」
「私の目の前にいるじゃない」
誰に聞いてもそう答えが返ってきた。僕の困惑は積もるばかりだ。その様子を見た大人は僕を病院へを連れて行った。僕の受付番号が呼ばれ、診察室に入ると先生は言ったんだ。
「(少年の名前)くん、今日はどうしたんだい?」
僕は◯した? あおとしろ。 @aotoshiro
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