第5話
『ジョブが魔導士から闇魔導士に進化しました』
『ショットのスキルがダークショットに進化しました』
『MPヒールのスキルを取得しました』
:ジョブ進化、だとおお!
:フカシ、覚醒したのか!
:でも、ジョブ進化の時の魔力ってもっと明るくなかったか?
:闇堕ちだな、キャサリンの追い詰め方は挑戦する意志より絶望要素を煽りすぎた
俺の体が変わっていく。
黒い魔力が俺の体を生まれ変わらせる。
さっきより能力値が上がっている。
MPヒール:呪いを受ける代償を負う代わりにMPを回復させる。
「MPヒール!」
黒い魔力が俺のMPを回復させる。
そして右手に黒いまだら模様が出来た。
:MPヒール! これでキャサリンキッスを回避できる!
:待て待て、フカシの右手を見てみ、黒いまだらが広がっている、あれ呪いだぞ
:呪いと引き換えにMPを回復している!
:呪いを受けるとどうなるんだ?
:分からん。呪いの効果は無数にありすぎる、特定が難しい
「ダークショット!」
:おお! 黒い魔法弾か
:黒いだけで変化が分からない
:威力が上がったとてだよ、元々魔法でワンキル出来ていた、意味はないな
黒い魔法弾がスライムを1撃で倒した、その後方向を変えてゴブリンを倒し、次はスライムを倒していく。
:1撃で消えない誘導弾か!
:凄い! 一定時間モンスターを攻撃している!
:モンスターがどんどん魔石に変わっていく!
:うおおおおおおおおおおおおおおおおお! 一気に雑魚を倒し始めた!
:強くね!?
:かっこいい! フカシがかっこいいぞ!
:急にスキルの質が変わっている気がする
:ジョブ進化の影響だろう
:普通1日で進化する? いまだに信じられないんだけど?
:能力値はモンスターを倒す事でアップする。でもジョブ進化は危機感とか心の成長とかそういうのが大事だ
:良く聞くだろ? ダンジョンで遭難して帰ってきたらジョブ進化してた話
:キャサリンに追い詰められて覚醒したのか
:多分そうだ。でも1日で覚醒するのは異常だ、フカシは逸材だと思う
ダークショットが消えるとまたダークショットを放ち、モンスターを全滅させた。
息を整えるとさっきよりも大きな魔法陣が発生した。
ゴウンゴウンゴウン!
:エリートゴブリンだ!
:見た目はゴブリンとそこまで変わらない、でも能力値は高いぞ!
:フカシ君、気を付けて!
「ダークショット! ダークショット!」
2つの魔法弾がエリートゴブリンに迫り、連続攻撃を当てると魔石に変わった。
「はあ、はあ、はあ、倒した! ははははははははは! 倒したぞ!」
「……ち!」
:キャサリンの顔が怖い
:顔が犯罪者っぽいんだよなあ
:犯罪者っぽいじゃなくて犯罪者だからな
:もし被害者がフカシじゃなくてJKだったらもっと騒がれてたと思うけど、男子高生は何故かそこまで騒がれない
:それにLGBTなら批判しにくいよね。犯罪者な時点でアウトなんだけどさ
:しゃーない、日本ではおっさんはバカにしてもいいけどおばさんに同じことを言うと大問題になったりするだろ? LGBTはバカにしてはいけないのにおっさんはバカにしていい雰囲気がある。そういう傾向があるのが今の日本だ
:田舎は男尊女卑やで
:それはある、田舎は昭和だからな。例外はどこにもあるしそんな事は分かっている上でさっきのはあくまで傾向の話をしたつもりだ
:キャサリンがむかつくわ。LGBTである弱者の立場・男は被害を受けても雑に扱われる脆弱性・ダンジョンから出ないずる賢さ・日本の国力低下で手が回らない現状、あらゆる脆弱性を複合的に突いて犯罪を重ねている
「力が、欲しい、もっと欲しい」
:フカシ、闇堕ちしてる
:あまりのショックで笑顔が消えたな
:あの顔なに、どういう感情?
:ああ、フカシの事がどんどん好きになってしまう
:フカシ君可愛いよね
:今Cランクパーティー『カラフル』がフカシの救出に向かっている
:おお、正義のヒーローが来るぜ!
:カラフルが来るなら安心だ
「え! マジで! いついつ! いつ来るの!」
:フカシが急に笑顔になってる
:フカシって結構現金なんだな
:ああ、私がフカシを抱きしめてあげたい
「言っておくけど男はお断りだ! 男はお断りだ! 男はお断りだからな!」
「あらあん、魔法少女である私が抱きしめてあげるわあん」
「い、いえ、いいです! 結構です!」
「遠慮しないでえん!」
じりじりじりじり!
「そこまでだ! キャサリン!」
カラフルなフルフェイスメットを装備した5人組が現れた。
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