第6話 キノコ

朝。狭い家に日が当たる。あたたかく、優しい風の音。いつもの狭い家だがボロボロではない。普段とは全くちがう。




「っ、改めてみると、なんか凄い事したなぁ…」



昨日、ハルはキノコ軍に入団した。新しい部屋を見てそう実感する


それも前例があるかも知らない特殊なルートで、

筋トレを始めたが、一生懸命鍛錬をつんで入団した新人たちと、自分は同じ台に立てるだろうか?


今日から指導が始まる。自分たち新人は、一対一で先輩に訓練される。今日、人殺しの基本を学ぶ

のだ。


「うっま…」

 

シズが昨日残りでくれた朝食を食べ、準備をする。


外に出たのは30分ごだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よろしくお願いしますッ!」


今日も完璧な発声だ。発声練習をしていたかいがある。


ここはグラウンド(のような所)。真昼の太陽が照りつけ、じわじわと暑さを感じる、



軍の人間はここで訓練をする



右をみたらシズが居た。先輩に指導されてる。昨日のお礼が言いたかったが邪魔はできない


今から指導係の先輩が来る。怖い人じゃないと良いな


少し心臓の音がする。今から、人殺しの練習が始まる


と、そのとき、先輩らしき人が後にたった

謎の恐ろしい威圧感。これは…やばい人だ


「おっおおおねがいしまうわああああ!!!」



「はは、なんだよ 俺じゃ不満か~?」


「いっいや、そういう訳では!!」


目の前にいたのは三級、パアワだった。先輩とかそういうレベルではない、何故


「お前はこっちから招待して軍に入団する特殊なルートだからな、先輩じゃなくて上級のおれが

指導する。」


拳をぐきぐきと鳴らし木刀を振り回す。強者の姿そのものだった



「えっええ…はい」


怖い、何か失敗したら殴ったりしてくるのかな?









そして、訓練が始まる。まず最初にこの軍について、だ




キノコ軍の仕事は2つ、1つは定期的にくるタケノコ軍の対応、食料を奪いにくるタケノコ軍を追い払ったり、奪う物を交渉して減らしたり、

そうして治安を守っている。


2つは戦闘。キノコ軍はたまにこちらからタケノコ軍に仕掛ける時がある。何か情報を得るためとか、そういうかんじだ。

あと、2年に一度の戦争に備えて力を付けておく



主にこの2つでキノコ軍は成り立っている。

こんな感じだ


「さて、次は」


次は階級 についてだ。



キノコ軍には5つの階級がある。


最初は五級。

新人~入団して1~2年の人物が多い。

緑色のバッジを胸につけていて、今のハルも五級にあたる。



次は四級。一人前といったところだろうか、

入団し、1.2年がたち、ある程度の功績を残したものがここにつく。

だが四級の方が五級より多い。普通に長い間努めれば、なることは可能だ。長い間務める事がどれだけ難しいかは置いておく。



ここから先は上級 とよばれ、キノコ軍の統率者が3人入る。彼らは社長、課長、そういうポジションだ。

まず三級

 

「はい。ここで俺、三級のパアワで~す」


三級パアワ、指導係を務める、上級の中では一番しただが、強いことにはかわりない。テンションが高い。それに尽きる 



次は二級 戦いの戦略を練る係を務める

そして一級の次に強い実力者


現在いるのは"イアン" 女性だ。静かで冷徹な性格。人とあまり関わろうとしないから、周りから怖がれているそうだが…



最後に一級 全ての統率者


いるのは"レイ" この人も女性。


怖い性格だと思っていたが、実は弱者を思いやる心やさしい性格だった。戦いに関しての力はトップレベルなので、それでもやはり怖さがあるのだが、


 

「…ま、そんくらいかな?」


以上で説明が終わる。かんけつだ。


「はい。ありがとう御座いました。」


とりあえず。せめて自分の死に場所は四級にしよう。

と心のなかで決めたとき


「おや~?」


女性の声、振り返るとイアンがいた


白い髪と眉毛が特徴的で美人というよりはかっこいいという印象をうける見た目だ


「ひっ」


思わず声が出る。が、とっさにお辞儀をする。


「そうかそうか…君がレイを負傷させたハルか」


「…………」


「よせよイアン わざとじゃない」


パアワが言う。


「ふっ、冗談だよ。おちょくっただけさ

あまりにも一級レイが招待した人とは思えない見た目でね。叩いて殺せそうだ」


「…………………はい…」


「…そこははい じゃないだろう君……まったく。何で招待したんだかね」


性格、悪い

怖い人もいるんだな。だから嫌われているのか…


「ごめんな、こいつ根は良いんだよ根は」


そこにもう一人の声がかかる。レイだった


「あっ…………!」


車椅子に乗っていて、足に負傷がある。


自分がさせたのか、


「あのっ……足ぃ…っ!」


「やっばり、気にしてるな?」


「はい…」


そりゃそうだろ、気にしないわけがい


「別に助けるのは私のしごとなんだし、自分が勝手に怪我しただけなんだから、そこまでしなくていいのに」


「えっと…はぁ」


「あとさ、私のこと、なんか記憶ある?」


「え?えっと…キノコ軍、一級…」


「そうじゃなくて、例えば私と買い物したーとか、遊びにいったーとか、そういうの」


なにをいってるんだろうか?覚えはない


「いえ、無いです」


「そっかぁ…」


気付けば自分の近くにちょっとしたひとの集まり


新人を3人の上級が取り囲んでいる。確かにこの絵面、人が集まってもおかしくはない。


なにか周りに誤解されてないか心配だが、ハルが

ずっっっと気になってた質問を投げかける


「あの…!何で俺を招待したんですか?」


「え?ああ~」


レイが口を開くのと同時に、「あっ」という


「ごめん、通信で電話来ちゃったまたこんどでね」


そういって、レイは去る イアンは新人たちを見回っている。



「急にきて急に帰ったな…」


パアワが言う。常識人キャラなのだろうか


「はは…」


「…よし、じゃあ本格的な訓練に入る いくぞ?」


「あっ!!はいッ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



レイは自室に入り、頭をかく


「う~ん。何でここに招待したか、か…」


考える。何か強くなりそうだから招待しました


っていったらあのこ、なんて言うだろう。


「今度、それっぽいこと言っとくか…」


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