第2話 東京都の孤島

 俺はあたりを見渡した。どーやらここ孤島らしい。俺は現在砂浜に立っている。しかし少し奥の方を見ると街の灯りが見える。俺はそこに向かって歩き出そうとする。すると…


「おーい!そこのおにーさーん!こんな所で何やってるのー?」

 後ろから声が聞こえてくる。振り向くとそこには黒髪ロングに黒目のスタイル抜群の女の子と青髪ショートに青眼の黒髪の子より少し背の低い女の子が居た。服装を見るに学生であることはわかった。


「俺の方が聞きたい。気付いたらここにいたんだ。それに名前以外の記憶も無いし。」

「でも服濡れてない。もしかして崩波にのまれた?」

 黒髪の女の子の発言で服を見たファウスト。確かに服は濡れていなかった。


「崩波って何?」

「知らないの?…あっ、記憶無いのか。なら仕方ない。」

「はい、その前に自己紹介。名前わかんないと捜索願調べられないから。」

「それもそう」

「と言う訳で自己紹介するね?私が霧島聖。そしてこっちの青い子が」

「私は天海結。青い子。」

 2人が自己紹介を終えたことでファウストの番が来る。記憶の中にいる銀髪の彼女の事は混乱の種になりそうだから話さないでおくと言う判断に至った。ファウストは…


「俺はファウスト。気付いたらここに居た。覚えてるのは名前だけ。」

「よろしく。」

「よろしくね。ファウストさん。所で質問いいかしら?それ本名?」

「多分本名。」

「へー、外国人なのね。」

「俺からも質問。ここはどこで俺はこれからどうすれば良いんだ?」

 これは着いたときからの疑問だったので2人に会えてラッキーと思う反面、今後どうなるのかへの不安から来た質問であった。


「そーねー、先ずこの森を超えて港に行って東京都に戻ります。そしてそこで学園に来てもらって役所に行きます。かなー。」

「ここは私達みたいな適応者の為の人工孤島型の訓練場。」

「学園に行く理由は?適応者っていうのは何?」

「学園は崩波被害者の貴方の保護をしてくれると思うから。適応者っていうのはね…」

 

 話をまとめるとかつて打たれた邪神の呪い。そこから生まれたのがモンスター。更に自然にかけられた呪いが収束し天変地異の様な怪奇現象を起こしモンスターと共に襲ってくるのが崩波。

 そしてその呪いの力が人間にかかるとその人間は魔人と呼ばれる対処困難なモンスターになる。しかしその呪いの力に適応した者が適応者で、身体の何処かに黒い入れ墨のような痣があるらしい。更に適応者は自然に関する能力を1つ使えるらしい。


「因みに私は氷の能力者。」

「生命の能力者。」

「2人とも適応者なんだ!凄いな!」

「「でしょ!」」

 そんな説明を受けながら森の中を進んでいると広い場に出る。


「ここはこの島にいる人の為の休憩スペース。特殊な結界が張られててモンスターは来れなくなってるんだ!」

「ならここで少しや」

 休もうと言うおうとした瞬間に爆発音が響き目の前に何かが落ちて来た。酷い砂埃の中3人はジャンプして後ろに下がる。3人で落ちて来た何かを見た。そこには黒い二対四枚の翼に黒い硬そうな包帯に身を包んだ男?が立っていた。そしてその手には槍を持っていた。


「魔人!?しかも結界を破って…私たちで勝てる様な相手じゃないわ!」

「ファウスト逃げて。」

 しかしそんな会話お構い無しに魔神が槍を突き立て突如2人の前に現れた。それを見たファウストは咄嗟に…


ガキィィィィィィン!


 鈍い金属音が響く。驚いた2人が音のなった方を見るとファウストが黒い魔人の攻撃を受け流していた。そして黒い魔人は黒い包帯を操り槍と一緒に攻撃に起用してくる。凄まじい連撃。そんな中でファウストは剣1本でさばいている。そして


「2人共下がって!多分俺も能力使えると思うから使ってみる。」

「なんでわかるの?」

「感覚!」

 しかしその感覚は当たっていた。彼の背中から黒い翼があらわれた。更に角まで生えてきている。そして…、黒い魔人の槍が大きく逸れたのだ。それを見逃すことなくファウストは手持ちの剣を魔人の体に突き刺す。


 剣を突き刺されてから暫くして魔人は灰となって散っていった。


「あんた凄いんだね!私あのレベルの魔人が一人で倒される所初めてみたよ!」

「ん、あれは普通の人間にはできない。」

 二人は適応者として思うところがあったようで興奮している。しかしファウストは違うことを考えていた。


「ねー、二人とも?ファウストって二人の国では聞かない名前なんだよね?」

「えぇ、まぁ、そうね。」

「二人の国の人っぽい名前付けてよ。」

「え!?名前捨てるの?」

「だって記憶ないから名前に思い入れ無いし。二人の住んでる所行くなら名前も馴染みやすいのが良い。」

 困惑した2人だったが徐々に元通りに戻って行きやがて名前を決め始めた。


「天海 優斗ってどうかしら?羽はえてたし海で会ったし。」

「優斗の方は?」

「優しいから。」

「率直だね。」

「うん、気に入った。今日から俺は天海 優斗だ。よろしくな。」


 なんやかんやで名前を決め終えた所で街の方からヘリが向かってきているのが見えた。








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壊波 PCぶっ壊れ太郎 @888885

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