第39話 リナ、日本で一番偉い政治家に会うことになってしまう【令和八年】
「私たちが
私が声を上げると、ウォンダさんは
確か
「今回の作戦、私は……」
ウォンダさんが何か言おうとしたとき、横から「
私たちの横に立っていたのは賢者の
ちなみに賢者は
ジェスター氏は緑色のローブを羽織っている。
私の嫌いな人物だ……。
「君たちが
ジェスター氏は私たちに向かって
私たちを
「ぜひこの上陸作戦を
「ダメです! この子たちにはやらせません!」
おや?
ウォンダさんが逆に反対している……。
「なぜだね、ウォンダ君?
「危険です! 相手の
ウォンダさんが声を上げた。
そ、そうか!
私はゾッとした。
するとジェスター氏はニヤリと笑った。
「そこに攻め込むからこそ敵の勢力を叩き落せるのではないか。それともこの子どもたちは、
ジェスター氏は笑って、アリサをジロリと見やった。
し、死ぬ?
私とチャコは顔を見合わせた。
何だか怖くなってきた……。
「おいおっさん! あたしたちが死ぬわけないだろうが!」
アリサがジェスター氏に向かって声を上げた。
ジェスター氏はまたいっそう笑みを浮かべたような気がした。
「あたしたちが死ぬもんか。絶対に上陸作戦を成功させてやる!」
「ジェスターさんの
ウォンダさんは
そしてウォンダさんはジェスター氏を
「この人、あなたたちが上陸作戦を失敗することを願っているのよ……。そうすれば
え? そ、そういうこと?
どうりでいつになく、ジェスター氏は私たちを応援してくれると思った……。
ジェスター氏はクスクス笑って言った。
「おやおや。私はこの子たちの
ジェスター氏はそう言ってドームを出ていってしまった。
彼の言葉の
「あなたたち――とくにアリサ。分かったでしょ。
「へっ、嫌だね。あそこまで言われて引き下がれるかってんだ」
アリサが言うと、ウォンダさんは「ダメよ!」と声を
「死にたいの? あなたたちは若い。戦闘経験も浅いのよ」
「じゃあ、誰がゼッコン様や
アリサが腕組みしながらウォンダさんを見やった。
そう……ゼッコン様や
ウォンダさんは
「それは……。いい? この件のことは忘れなさい」
「レクイヤー賢者長!」
白色のローブを羽織った女性賢者の一人が、急いでドーム内に入ってきた。
そして叫ぶように声を上げた。
「し、
レクイヤー賢者長って誰? と思ったが、ウォンダさんのことか。
賢者って
そんなことを思っていると、チャコが「え? え? ど、ど、どういうこと?」と声を上げている。
「どうしたの、そんなにあわてて」
私は様子のおかしいチャコを見たが、彼女はいきなり声を上げた。
「永田町の2丁目3番1号って、た、大変な場所ですよ!」
「大変な場所って……どういう……?」
「首相
「しゅしょうかんて……い?」
最近、至急されたスマホでネットニュースを見るようになったけど……。
一応、首相
えーっと確か……?
チャコが叫んだ。
「日本の首相――
「ええええ? 総理大臣に会う?」
私が声を上げていると、ウォンダさんが私たちのほうを向いて言った。
「三人とも! これから私たちは首相
ウォンダさんもいつになくあわてている。
「そ、そ、総理大臣……」
私がいくら政治にうとくても、総理大臣が日本で一番偉い政治家ということは知っている。
「ソーリーだいじんって誰だよ? この国の国王ってことか?」
アリサがそう言って首を
――私たちはいきなり日本の総理大臣に会うことになってしまった!
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