第30話 リナとリナ②【浄界八年】
「う……」
――ん?
私は目覚めた。
私は
最近、自分が令和のリナなのか、
さっきまで夢の中の古代の時代で、令和のリナと話をしていたはずだ。
私は正座しており、首を
「
私はビクッとなった。
女性の怒鳴り声が、私の頭の上から降りかかってきた。
見上げると、赤いローブを着た年配の太った女性――「お
これは現実の
「講話の時間なのに居眠りなど、
右肩に
お
(もう……痛いなあ……。だから講話なんて嫌いだよ)
ここは
お
「まったく! ではもう一度お話をしますよ。教科書の八十八ページ、第一文を見てください。『毎日
――あれっ?
左胸にズキズキとした痛みを感じる。
なんでだろう?
……さっき見ていた夢の内容を思い出した。
令和のリナと話したことは覚えている。
でも、令和のリナは……真っ青な顔をしていた。
「そうだ……」
私は夢で令和のリナと話をしたが、その一つ前の夢を思い出した。
令和のリナは二匹目のゼッコン様の攻撃を胸に受けて、意識不明になったのだ。
私のこの胸の痛みと関係があるのだろうか?
……現実の令和のリナはどうなっているのだろう?
――明日から連休。
山内レイジも行くのだろうか……。
山内レイジは同じ
◇ ◇ ◇
夕方の四時半――。
私の家は
まあ――この辺の民家は全部同じような木造家屋なんだけど。
母はまだ帰っていない。
オカルト系雑誌の編集長なので、夜遅く帰ってくる。いつも通りのことだ。
「あっ! そうだ。夕方の六時からあれを見ないと」
私はあわてた。ついでに焼き
我が日本国の女王、
私は素早くブラウン管のテレビを
『……私たちは北日本の攻撃を受けています』
テレビ放送が映った。
ホッ、間に合った。
『北海道、東北地方の
一方、敵は東北地方や北海道にいる……とされている。
『ゼッコン様は北日本の悪い支配者が造り上げた化け物です。我々の手で化け物を打倒しましょう。北海道や東北の方々も、支配者へ立ち向かうことを忘れてはなりません』
確か十六歳と聞いたが、私と
しかし私は
「君たちの世界の日本の頂点、女王と呼ばれる『
そんなバカな――。
放送が終わり、そんなことを考えていると焼き
いや、令和のリナが呼んでいるのだろうか?
とにかく布団を
そして私はすぐ眠ってしまった。
――私は夢の中で令和のリナと再び話すことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。