第27話 スカイツリーに巻き付いた龍①【令和八年】
私――
「ジャドロモノ……!」
夢で
あのジャドロモノは小さかったはずだ。
しかし、目の前にいるジャドロモノは、まるで乗用車のように大きかった。
「う、
チャコは素早く単発で
ジャドロモノの体を光線が突き抜け、緑色の血が
「キャーッ」
黒ローブ男たちが逃げまどう。
「よけろおおっ!」
そのとき、私は横から突き飛ばされた。
私は転び、驚いて振り返った。アリサが
「バカ! 天井にもいるんだよ。よく周り見ろ、リナ!」
アリサが私を突き飛ばしたのだ。
もう一匹のジャドロモノが天井からぶら下がっており、大木のような太い
つ、突き飛ばされなかったら、私が
「リナ、気を付けてください! 壁です」
右の壁のほうを見ると、壁にもジャドロモノがはり付いている。
そのジャドロモノは
「このおおおっ!」
私はすかさず
壁のジャドロモノは血を
アリサも天井のジャドロモノを打倒したようだ。
「ふう、一安心――」
しかし私はすぐさま、背中に
わたしの体が大きく前にふっ飛ばされたのだ。
地面に転がりながらもあわてて振り返ると――。
後ろにもう一匹、
「暴力反対!」
チャコは叫んでそのジャドロモノに
「ふう……」
アリサは息をついて言った。
「これ、ゼッコン様とやらじゃねえんだろ? 本命はどこにいるんだよ」
『大きな生体反応確認! ここより1.2キロ離れた場所に、大きな邪気を確認したよ!』
「い、行こう!」
私が叫ぶと、チャコとアリサがうなずいた。
◇ ◇ ◇
地下街を進むと、また
赤い
店の中では紫色の不気味な飲み物を飲む、黒ローブ男たちが
「
アリサはブツブツ言っている。
海鮮料理屋、寿司屋、一杯飲み屋が両側にあり、
黒ローブ連中は
『どんどん大きな生体反応に近づいている。気を付けて』
十五分ほど歩くと地上に上がる階段を見つけた。
上には光が見える。
「浅草駅から東に1.2キロ歩いたとなると、場所は例の……あの超有名なタワー?」
チャコが
「どんな敵が来ようとも、
アリサはやる気満々。こういう時には頼りになる……うるさいけど。
◇ ◇ ◇
階段を上がると、東京の名所である「スカイツリー」が目の前にそびえ立っていた。
ここは「
地面は土、すべての建物が木造だ。まるで昭和の映画みたい。
道の向こうにそびえるスカイツリーだけ近代的な建造物なので、奇妙な風景だった。
「この世界には奇妙な物がたくさんあるから、色々驚いてもしょうがねえ。だけど、あれはおかしいだろ!」
アリサがスカイツリーに向かって、叫んだ。
私も異変に気付いていた。
スカイツリーに何かが……巻き付いている?
黒く長い……巨大な
スカイツリーを何か巨大な
『あのスカイツリーに巻き付いているのは……! 龍の形をしたゼッコン様、【ジャビラビ】だよ! 全長約150メートルある』
ジャビラビなるゼッコン様は私たちに気付いたように、スカイツリーから飛び立った。
その長い胴体が
すさまじい
「リナ、アリサ! 私に近づいて!」
チャコが叫んだ。
「テンノマモリノカベ、ハコノカタ!」
チャコが叫ぶと、私たち三人の周囲に光の壁――電子
私たちを電子
「お、おいチャコ。何だこの技」
アリサがため息をつきながら聞くと、チャコが答えた。
「電子
私たちを電子
私たちを覆っている電子
しかし
「龍……!」
私は思わず声を上げた。
長い胴体を持った見上げるような巨大な龍が、木造の家々を
ジャビラビは毒蛇のコブラのように、
その高さは、十二階建てのマンションくらいだ。
「で、でかすぎじゃねぇの?」
アリサはひきつって笑っていた。
だけど、これは現実だった。
この龍――ゼッコン様ことジャビラビと戦わなくてはならないことは分かっていた。
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