第18話 私と一緒の夢を見た男子【浄界八年】
私は
夢で令和のリナが出てくるのだから、私は
朝、私は学校に行くために国鉄の山手線で、高田馬場に行った。
今日も切符切りの駅員さんが、調子良く改札
(どんどん令和のリナが、すごくなっていっているなぁ……)
ラッシュでぎゅうぎゅう
令和世界の引きこもりのリナが、亀の化け物を不思議な
(……信じられないよ。あの引きこもりのリナが)
なぜか私には、あの夢が本当にあったことだと感じてしまった。
令和のリナが引きこもりを
だけど
◇ ◇ ◇
ここは学校の体育館。
私たち1年B組は、「
「
生徒たちは皆、床に座り込み、緑色の毛布の上で
「まずは
「その後、
そして続けて言った。
「各部品にはガスがついている。汚れだな。
私は分解を進めた。
ややこしいし、手は油まみれになるし、本当に苦手だ。
その時――。
「ねえ、これ見せてよ」
見ると、モニカが私の
モニカは私の
学校が決めているのだから、仕方ない。
「あっ!」
私は声を上げ、モニカの手を見た。
彼女がつまんでいるのは、セレクターの小さい部品だ。
あれを無くすと大変だ!
「ぽーい、と」
モニカは部品を体育館の窓の外に投げ捨てた。
「な、何てことするの! ふざけないで!」
私は声を上げた。
「は? リ、リナのくせに私に向かって大声だしたの?」
モニカは眉をひそめて、ちょっとうろたえたような表情を見せた。
令和世界のリナも化け物と戦っているんだ。……あれは夢だけど。
私だって負けない!
「リナのくせに! 今日は生意気じゃん!」
モニカは私の
「何するのよ!」
私はしゃがんでいるモニカを両手で押した。
モニカはバランスを
モニカの分解した部品は吹っ飛び、彼女のブレザーは油で汚れた。
「こ、こいつっ! あたしのブレザーが
モニカが立ち上がったとき――。
「何を
モニカはあわてて口を開いた。
「違います! こ、こいつが、
「いや、俺は見てたぜ! その前に、
私の前で分解作業を行っていた山内レイジが言った。
この間神社で、「ジャドロモノ」を
「なに? 本当か?」
「えっ? あ、でも先生……」
「
私が山内レイジを見やると、彼は手で合図してまた作業に戻った。
◇ ◇ ◇
放課後、私はモニカから逃げるようにさっさと学校から出た。
私は帰宅部だから、学校帰りはいつも一人だ。
「おい
おや? 後ろから声をかけられた。
「お前、大丈夫だったか?
山内レイジが声を掛けてきた。彼は空手部だったが、水曜日の今日は休部だったっけ。
「あ、うん……別に大丈夫。『分解結合』の授業のときはありがとう」
「ああ」
「で、な、何か用?」
「ナンパだったりしてな」
山内レイジはニヤリと笑った。私は山内レイジをジロリとにらんだ。
「あ、ウソウソ。ナンパじゃなくて
山内レイジは
困ったなあ。男の子と一緒に帰るなんて、皆に
でも、ちょっとうれしいこの気持ちは何だろう?
私と山内レイジは一緒に池袋に帰るために、山手線に乗った。
◇ ◇ ◇
私と山内レイジは、池袋の純喫茶に入り席についた。
『今日借りたレンタルビデオは、彼と観るの。私の人生はビデオデッキ。毎日、幸せの再生ボタンを押してる』
店内では、人気歌手の
しかし、今の日本では
「あのさ、これから話すことは、バカみたいなことだと思ってくれ。笑ってくれてもいい」
目の前の山内レイジが、そんなことを言い出した。
――店内にはカウンター席に男性客一人が座っているだけだ。
「へ、変なの。山内君らしくない感じ」
のんきでお調子者の山内レイジが、なんでこんな
「この間のゼッコン様のことなんだけど」
山内レイジは口を開いた。
「俺は夢で別のゼッコン様を見たんだ。そいつは……亀のゼッコン様だった」
え?
私と見た夢と一緒だ……!
「おい」
カウンター席に座っていた男性客の一人が、私たちに近づいてきた。
口ヒゲを生やしたダンディーな中年男だ。
「その話、俺にも
えっ? 刑事? 私と山内レイジはギョッとした顔でその
彼が私たちの机に置いたものは、警察手帳と……不思議な板のような機械だった。
「これは、スマートフォンというものさ」
私たちには見たことも聞いたこともない
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