第12話 敵からきたSNS「誰が戦いますか?」【令和八年】
「来たわね」
「えっ? 何が?」
「ゼッコン様よ」
「――ど、どうしてゼッコン様が? あれは夢の世界の化け物でしょう?」
「見なさい」
「あ……あっ!」
私が夢で見た――「アリサの世界」と「
「あ、あの化け物は、あたしの故郷――ルーゼリック村を襲った化け物じゃないか!」
アリサが叫んだ。
モニターを見ると、新宿の
道には人々が逃げまどっている。
……これ、実際の映像? いや、そうなんだろう。本物なんだろう。
「二人とも、急いでこれを装備しなさい」
すると青ローブの人々は私に真っ白い
マンガで見る
「え、あの、これはどういう……」
「これを装備して、ゼッコン様と戦いなさい」
「戦う? そ、そんな無茶を……。私、銃なんて
私がそう言いかけたとき、アリサが声を上げた。
「おい、これは武器か? そうなんだろ?」
アリサの言葉に
「さっきも言ったが、あんたたちのことは信用したわけじゃないからな」
アリサは続けて言った。
「だがこの武器なら、あたしの村を
アリサの言葉に、
「ええ、きっと倒せるわ」
「へっ。じゃあその化け物をぶっ倒してやるよ。だがあんたら、
アリサは声を上げ、今度は私を見た。
「おい、お前。戦闘に協力しろ」
「せ、戦闘って……。わ、私は……私には無理だよ」
「お前……イライラするヤツだな。お前、良く見たら、えらく体が細いな」
「戦闘なんて……。な、なんで私が自衛隊みたいなことしなくちゃならないの」
すると
「リナ、この武器――『
「ええっ?」
「持ってみなさい」
私は恐る恐る、この
そしてこの両手にしっくりなじむ。ぴったり!
そもそも、どうして
「アリサもそう。アリサが持っている
「そんな……一体、どういうこと?」
「この
「どうでもいいけどよ、リナだっけ? 早く戦う準備しろよ! トロいな!」
アリサが私に向かって叫んだので、私はムッときた。
「め、命令しないでよ!」
「お前……。あたしにそんな口の利き方していいと思ってんのか?」
「そ、そっちこそ、何でそんな
私は腹が立って、アリサをにらみつけた。
あれ? もしかしたら同年代の人とケンカするなんて初めてかも。
すると
「ゼッコン様側からSNSで連絡が来たわ」
……は?
SNSって、デン子叔母さんがスマホでよくやっている、人と連絡するアプリだよね? 小学生のときにクラスメートがやってたな。
ん? でも、それはちょっとおかしい。変だ!
「な、なんで、敵からSNSで連絡が来るの?」
私が驚いて
「ゼッコン様を
「えええ?」
私は思わず声を上げた。
「あの夢で見た
「そうよ。見てごらんなさい」
SNSにはこう書いてある。
「戦いが始まるわね」
「ねえ! 何でこの人たち、『ゲームスタート』とか言ってるの? 新宿が火事になってるんだよ? 建物が燃えてる!」
「……
「い、意味わかんない。夢の世界の人たちが、何で現実の世界に攻めてくるわけ?」
私が聞くと、
「夢の世界――つまり
「は?」
え? なにそれ……。まさか、これがプロジェクト何とか……ってやつ?
「説明している
「あたしの村は燃やされたんだ!」
アリサが私に向かって声を上げた。
「次はお前の住んでるこの国の番かもしれねえんだぞ!」
私はアリサの言葉に「うっ」となった。
今、私とアリサしか、この
つまり、ゼッコン様と戦える者は、この世に私とアリサしかいないのだ。
私は……戦うしかなかった。怖いけど……。
しかし――この戦いがもっと奇妙なものになるとは、このとき思いもしなかった――。
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