第8話 副都心の巨大神社内部【令和八年】
令和世界の私――
「よくいらっしゃいました。
さっき私に
「……今、何て……?」
私は聞き返した。
「
「
え?
私は一瞬固まった。
あれ? 私、カウンセラーの
でも、あれは私の口がなぜか「
まさか本当に「あなたは
私は
「話だけでも聞いてごらんなさい」
だけど――なんだか少し外の
まだ頭がクラクラするが。
こんなに一日で色んな場所に行き、知らない人に話しかけられたということは、きっと後でどっと
「
私は思い切って
「
「あ、あまりにもいきなり言われたので、驚いてますけど」
「それは失礼いたしました」
「……わ、私が
「証明できるかは分かりませんが、お見せしたいものがあります。ついてきてください」
私はまたしても
「さあ、行きましょう」
私は
そこには鉄の大きな扉があり、白いローブを羽織った門番のような人が立っていた。
◇ ◇ ◇
門番は地下の部屋を開けた。私と
部屋の広さは学校の体育館よりずっと広かった。
部屋は明るい。美しい木でできた
まるで新しい武道の道場のようだ。
白いローブの人々がたくさんおり、
部屋の壁際には木の棚がたくさん並んでいる。本もたくさんおさめられている。
部屋の右の壁際には、
「あの
私が
「近くで見てごらんなさい」
ガラスの
私が近づいてそのガラスの
「あっ!」
と声を上げた。
ガラスの
――人だ! 人間が一名、横になって浮かんでいる。
しかも女の子――。白い
目をつぶって眠っているように見えるが……。
「こ、この女の子、どこかで見たことがある」
私は思わず声を上げた。
ん?
私だ!
この液体に浮かんでいる少女は、私の顔と似ている……いや、似ているレベルじゃない。
私の顔と全く同じだ! ガラスの
「鏡でよくお確かめになったら」
や、やっぱり同じだ……。私の顔と同じ。
「これがクローン人間の
「クローン! 分身!
「リナ様、あなた様は
「えええ……?」
意味が分からない。
他のガラスの
全員、私と同じ顔だ……。
私とこの神社と、何の関係があるっていうの?
「もちろん、あなたが
「しかし我々は、最先端のクローン技術により、
「まずは
「そして
「で、でも待って。二つ質問があります」
私はあわてて言った。
頭がクラクラする。
「クローン人間って、作ってはいけないんじゃないんですか?」
小学生のとき、そんな話を本で読んだ気がする。
「それに
「ふむ。そのことも機会があればご説明しましょう」
「そういえばこの間、勝手に口から『
私は
「よくあることですな。あなたの魂が、
は、はあ……。
「まだ色々、お話しすることがあります。あなたと同様に、クローンから生まれた十六歳の少女がおります。その子も、とある歴史上の偉人のクローンです。近々あなたは、その方とお会いに――」
「……ちょ、ちょっと待って」
私はめまいがしてきた。いきなり色々な
「いきなり色々言われても……あっ……」
グラリ
私はふらついた。
急に
誰かが背中を支えてくれた
あ、頭がクラクラする。
「だれか、リナを医務室に連れていって」
背中のほうで
私は
やがて、頭の中が真っ白になってしまった。
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