第5話 ゼッコン様が来る②【浄界八年】
ここは
夢に現れる「令和世界の
山内レイジは
「
「え? あ、うん」
うなずいてみたが、いきなり言われたので緊張する。でも、「ジャドロモノ」を
私は何とか普段、
「し、姿勢点検!」
「おう、姿勢点検」
彼は
「
私は叫んだ。
するとジャドロモノはうめき声をあげ、紫色の血を
この血液に毒がある。
「ふ、ふう」
山内レイジはセレクターを安全装置の部分に回し合わせてから、汗を手でぬぐった。
ジャドロモノの血液は、煙のように
「
本屋の主人は声を上げ、皆をジャドロモノから遠ざけた。
私はため息をついた。
まさか自分の家の近くで、本物のジャドロモノと
「ひゅ~。見たか、
山内レイジは私のほうを見て、ニヤリと笑った。
あーあ、やっぱりお調子者。そんなドヤ顔するから、モテないんだよ。
「まあ、何とかなったな」
山内レイジがそう言ったとき、
「ゼ、ゼッコン様だ! ゼッコン様が来たぞ!」
「ああ! 見ろ!」
私の横にいた八百屋の主人が叫んだ。
まるでジェット機のように、神社の上空を何かが飛んでいった。
何だ?
……飛行機?
いや、鉄の棒?
その「何か」は東にある、マンションの
そのまま飛行体は、どこかに飛んでいってしまった。
「お、おい! あれを見ろ!」
本屋の主人が声を上げる。
高台――神社から見える新宿区の高層ビル群の上空に、
それが一瞬で、こちらの
「う、うわあああっ」
神社の
その
そして
「こ、これがゼッコン様か」
山内レイジがつぶやいた。
雲の顔はニッコリ笑ったり、怒ったり表情を変えたりして恐ろしく不気味だ。
大きさは、ジャンボジェットが三台重なったくらいの大きさか?
鉄製なのか何なのか、金属製にも見えるが……。
「あ、あれは生き物なのか?」
山内レイジが私に聞いてくるが、私はもう怖くてとても答えられない。
さっき
だけどさっき投げたはずなのに、まだ持っている?
「ひいいっ!」
モニカが真っ青な顔で悲鳴を上げている。
「あんな生物、この世に存在するのぉ?」
さっきまで強がってたのに。一方のパン子はオロオロするばかりだ。
ブン
そんな音ともに、雲の化け物――
今度は向こうの風呂屋の
その瞬間、再び
何度でも再生ってわけ? どういう仕組み?
「おい見ろ。あの
山内レイジが神社の下の道路を見下ろしながら、私に言った。
おや?
「あれは……!」
「ふ、ふむ? 『
赤ローブの人々は、フワフワと浮かんでニコニコしたり怒ったりしている
「
そんな声がかすかに聞こえた。
すると突然、
空に円形の黒い影が浮かんでいる……。
するとその
「
山内レイジが声を上げた。
そしてそのまま姿を消してしまったのだ。
「た、助かった!」
神社の
しかし、私は嫌な予感がしていた。
まさかあの
別の世界に送り込まれたんじゃないか……?
そんな直感がよぎった。
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