第23話 県境の決戦

ここからはヨーグがマグローと共に先導し生物兵器を倒して道を開拓するらしい。


彼女ヨーグは様々な成分を操る事が可能ならしい。

先ほど熱殺蜂球の中心から生えてきた巨大な棘は、ビーたちの体内にあるカルシウムを操作し、棘状に変形させたものだ。


その後 飛んできたナイフは鉄分を作り変えて できた模様。




こうして塔の奥へと進んでいくと、暗い部屋に辿り着いた。

部屋と言っても広く、風通しが良い。


そして部屋の一部が浸水しており、水の匂いが漂っていた。


マグローが警戒するが、ヨーグが そっと呟く。


「この部屋、オノ人形たちが徘徊しているよ」

「えぇ、オノ人形?」


「オノ人形は光に弱いんだけど、多分この上に光源があるから、明かりをつけて」


「なんで そんな事わかんの」

「この塔へ侵入する時に通ったからだよ」



マグローは そっと階段を登り、電気のスイッチをつけた。


ビガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



明かりが部屋中を照らし、オノ人形たちを絶叫させる。


「ギュワァァァァァァァァ!」「ギュワァァァァァァァァ…」


「おーすごい…あ、なんか出口っぽくないぃ?」

「そう、あれが出口だよ〜」



2人は少しナトを待ち、彼が見えたため、出口と思われる扉を開けた…。




















塔の外に出たマグローとヨーグ。雨が降っていた。

地面が ぬかるんでいる。


人間を背負った状態でナトも外へ出る事に成功した。



近くの道路には、群馬県と書かれた看板が見える。

埼玉県にいたかと思いきや、いつのまにか群馬県にまで来てしまっていたらしい。



「やっと…出れた?」

↑ナト


↓マグロー

「そうみたい だねぇ」

「でも まだ謎の生命体が追ってくる可能性はある…」






塔の中から、あの謎の生命体が溢れ出てきた。


ドボドボドボ



「⁉︎…」



謎の生命体が突然 泡のように球形になり、それから辺り一面に液体が飛び散った。


球の中から鬼の仮面を被った あの人型生物兵器が現れ、なんと巨大化した!!


その際、せっかく運んできた人間が掃除機のように彼の体内へ収納されてしまった。



「⁉︎…巨大化した⁉︎」


人間を吸収した人型生物兵器。



ビュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ


「!」


ズバァァァァァァァァァァァァン



人型生物兵器が腕を伸ばし、ナトの胸を貫く。


ドッ


「危ない!!」


マグローがナトの方へ飛んでいき、心臓への直撃を免れた!


その後すぐに人型生物兵器が腕を針のように尖らせ、広範囲に突き技を繰り出す!


ズバズバズバズバズバズバ



視認できないスピード、読みにくい突きの動き、避け切れない攻撃範囲、予備動作が無く隙が生じない俊敏性。


ガバッ



ヨーグがナトとマグローを掴んで、突き技を避ける!


そして同時にナイフを周辺から発射した。

ナイフは人型生物兵器の胸を貫通する!


しかし心臓が破壊された様子は無い。


↓ヨーグ

「そうか心臓が全身に溶けているから胸を攻撃しても無駄なんだ」


「となると、あの生物兵器の液体全てを破壊する必要が…いや液体じゃ破壊できない!」

↑ナト


「そう、だから私たちじゃ倒せない。でも体内に囚われた人間の救出なら可能かも。

まずは優先的に人間を救出しようか」


「(ヨーグさん、さっきの変人感が消えている。人が変わったのかな?それとも これがヨーグさんの本当の姿?)」


「ナト」

「はい!」


「私お腹空いちゃったよ〜あの生物兵器がつけている仮面、美味しそうだよね〜」


「(温度差が激しいだけだった…)」


人型生物兵器は、体の一部を分離させた。

その分離したものが炎上する!


ボヮァァァァァ


「⁉︎…」


人型生物兵器はさらに体を分離させ、ナトたちに向かって弾き飛ばした。


その体の一部1つ1つが炎に包まれ、攻撃力を上げている。



ナトは炎の弾幕を潜り抜けた後、人型生物兵器の首元に発射した紐を引っ掛け、波打ち攻撃する。


バチィィィィィィィン



その時の衝撃で、奴の体の一部が溢れ落ちた。


そして一回り小さくなったような気がする。


「(この人型生物兵器、攻撃すれば するほど小さくなっていくのか⁉︎)」


そこへマグローが人間を救出するべく、鋭利な鰭を構えて人型生物兵器に突撃した。



ジャキッッッッッッッッッッッ


鰭によって奴の腕が吹っ飛ぶ!


しかし吹っ飛んだ腕が空中でマグローの方を向き続けた。


「(なんで あの腕 俺の方を向き続けr)」


なんと腕から稲妻が発射され、マグローは感電してしまう。


ズドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…


「マグロー!」


「くっ!」


ヨーグが水分を操作し稲妻を別の場所へ誘導した。


ズドォォォォォォォォォン


なんとかマグローは助かったが、人型生物兵器は まだ攻撃をしようと動く。


奴は血を発火させ、自身の周りを炎の海に変えた!


ボヮァァァァァァァ


燃え上がる炎によって近づけなくなったが、ナトが納豆を撃ち、じわじわ と攻撃する。



人型生物兵器は腹の一部を様々な方向へ勢いよく放った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る