第20話 消滅
2人は塔の中へ入る。ビーたちは すでに塔の奥に行っており、入り口には何もいない。
西洋風の塔は明かりが無く、青黒い壁や床。
窓の外からは月明かりだけが差し込む。外から聞こえる虫の声が静かに響いた。
「なんだ ここ…マグロー、知っているか?」
「わかんない…こんな人里離れた場所に塔があるなんてぇ」
「ビーたちは この塔へ入っていったが、ここは奴らの巣か?
どちらにせよ、人工物に干渉している生物兵器は駆除しないと」
彼らは塔の内部を調査する。
しばらく歩いていると、チュチュと呼ばれるコウモリの生物兵器が天井に大量にいた。
「チュチュッ」「チュチュッ」「チュチュッ」
「一応ビー以外の生物兵器もいるんだ。行くよマグロー」
「おっけぇ」
ナトは天井から襲いかかるチュチュたちに向け、拳を振るう!
ズバズバズバズバズバズバズバズバズバズ
ブシャァァァァァァァ
チュチュたちはナトに噛みつく前に破壊されていった。
チュチュに触る事は病原菌の塊に触る事と同じようなものであるが、ナトはパンチの風圧によって心臓を破壊したらしい。
バサバサバサバサバサバサ
チュチュたちの猛攻を紙一重で避け、ナトは体から溢れ出した納豆を花火のように爆破させる!
ズバァァァァァァァァァァァァン
チュチュたちは心臓のみならず体ごと粉砕されていった。
そしてナトのクールダウン時にマグローが水を口から発射する!
ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ
水は物にぶつかると跳ね返り、広範囲に不規則な動きでチュチュたちに攻撃を与えた。
↓チュチュ
「(こいつら、一体 何者だ⁉︎明らかに同胞ではない!
この塔へ侵入して何する つもりだ?まさか拉致か⁉︎)」
ブシャァァァァァァァ
無事全てのチュチュを倒したナトとマグロー。
しかしチュチュたちの消滅の仕方が変だ。
液体になって溶けていく。通常 生物兵器は煙や塵のように消滅するはず。
以前ナトも別の場所でチュチュたちと戦った事があるが、しっかり煙のように消えていった。
しかし同じチュチュであるはずの彼ら は消え方が違う。
「なんだ この消え方…心臓を破壊したら液体となって消えた?
今まで こんな事は起きなかったはず。この塔と関係あるのか?」
「ねぇナト、なんか声がしないかぁ?」
「声?…………確かに」
声のする方へ薄暗い螺旋階段を登っていく。
その間、生物兵器に何度か出会した。
ズバズバズバズバズバ
針だらけの芋虫から発射された針を避けながら、奴の心臓を手刀で破壊する!
ブシャァァァァァァァ
その直後にナトは芋虫に聞く。
「ニードリー、この塔は何が どうなっているんだ?」
「………」
↑芋虫
また この芋虫も液体となって消滅していく。
「何が どうなっつるんだ?」
「ナトぉ、こっちの部屋…なんか変」
「察しが悪くて気づかなかった。どう変なんだ?」
「天井が無い」
「……」
ナトは思っていた答えと違う答えが返ってきて困惑していたが、マグローの言う事を信じて変な部屋へ行ってみた。
「ここだよぉ」
「……おや?」
2人が入った部屋は天井が無く、月の光によって壁や床が青白く輝いている。
そして、倒れている人の横に、お面を被った何か がいた。
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