第9話 意外な結果
一瞬にも、長くも感じた時間が、終わりを迎えた。
「しょ…勝者高木ィィィィ!!!まさかあの豪勢のカイリバルを打ち破り、勝ったのは名もなき冒険者高木だぁ!!」
初めての対人戦による一種の
「ッシャァァァッッ勝っ…アッッブネェェェェまじで怖かったぁぁぁ…ヤッタカッター」
「えぇっと多分ですけど、心の声とか表の声とか以前の…って!!そういえば
(油断天敵《ゆだんてんてき)のことも聞かないでおいてあげよう…)
決闘が終わり、マーソが高木の元へと戻ってくる。前世でも経験したことのない初めての
「…はぁぁ…あ、おはようマーソ。良い朝だね。」
発言内容は
「…やれやれ、中々治らないですねぇ。一発ぶん殴っとくべきかな?」
「あっ…戻ったからぁ…ぶたないでぇ…痛いのは嫌なのぉ」
「ふふっ、分かってますよ。元から
「いや、酷くね!?!?」
くだらないし、何の中身もない会話。だが、こういう会話が一番楽しいを
「ところで話は変わりますけど、カイリバルさんは大丈夫なんですか?」
「ああ、多分大丈夫。初級雷魔術の
確かに、高木からは
「えぇっと、ギルドカードはいいんですか?」
高木は、ハッと思い出したかのような表情になる。
「あぁぁぁ!忘れてたわ、じゃあそれだけやったら帰るか。」
「帰るって、本当にあの山奥に帰るんですか?それじゃ体壊しちゃいますよ。食事とかは大丈夫なんですか?」
当然だが、高木は異世界転移しているわけだからお金を持っているわけでも住居を持っているわけでもない。
「まぁまぁ、1週間も大丈夫なんだから心配すんなよ。食事だって、マーソが持ってきてくれるし、それをちょちょいって調理すれば食えるさ。」
「うーん、それでも心配ですねぇ…あっそうだ!!それなら、僕の
「え?まじ?いいんすか?よぉぉし!!それなら早速ギルドカードつくりに行きますかぁ!!」
と、マーソの家に泊まる約束にわくわくしながら、ギルドカードを作りにギルドへと行く。
ギルドへともう一度入り、ギルドの受付へと歩みを進める。その道中のギルド内の人たちの視線が痛い。
「はい!何でしょうか!…あれ?マーソ君じゃない。もしかしてお友達?」
「あっ、はいそうです!マーソの友達の
「はい!!ギルドカードですね。ということは、ご利用は初めてですね。それでは、先にギルドの説明をさせていただきますね。
その時、マーソに
そう思ったマーソは、いつでも支えられるよう高木の後ろに位置する。
「ランクは上からA→B→C→D→Eとなります。まぁぶっちゃけこのランクは強くなくても、仕事をすれば上がるし、強い人でも仕事をしないなら上がらないので、あんまり気にしなくていいです。つまるところ、これは強さじゃなくて、どれだけギルドにとって
「…は、はい。」
高木は、流れるがまま手を置こうとした。だが、高木には一つ
「あの、身体能力とか、武器とか、そういうのは見れないんですか?ステータスでも何でも」
「ああ…そういう、
(ギルドの人とかでもステータスのこと知らないんだなぁ。まぁ良い。ふふふ…俺の力を知れ渡されるしかないなぁ!!この…世界にぃ!!いくぞぉ!)
高木はその水晶に手を置く。そうすると、その水晶は7色に光り、最終的に水晶の先が見えないほどの黒色の光になった。高木はこの光を見て、これはこれはぁと思っていた。
「おおお!!!すごいですね!!まさか9属性使いなんて!!これは相当な
「…あ、ありがとう、ございます…」
ギルドについての
(……意外と反応薄かったなぁ。)
高木は少ししょぼくれた。この世界に9属性を扱える人が多いのは事実だが、その9属性をすべて一般人が使用可能な、絶級まで使用可能なのは、高木含め世界でも2人しかいないことを高木はまだ知らない。まぁ詠唱できないんだけどね!!
「高木さん凄いですね。あれだけの話を聞いて倒れないなんて。成長しました?」
「確かに!!…ギルドとかみたいな簡単な話だからかなぁ…まぁ何でもいいだろ!!」
冒険者ギルドへの登録を終え、他愛もない会話をしながらマーソの家へと帰る。対人戦など、どっと疲れを溜める出来事が重なってしまったせいだろう。高木はマーソの家の寝室に入りベッドにダイブした
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