第1章 マクノ村
第4話 再スタート
ピヨピヨと、小鳥たちが詩を
「ヘァッァアアッッ!!!」
高木は目を覚ました。もう目覚めにトラウマさえ覚えそうなほどだ。だが、今までの目覚めとは確実に違うことがわかる。高木が眠っていた場所、それは安全で
高木はその見知らぬ天井を見つめる。
そして隣には、同種の衣装を身に
「エテニティ―レゲンドルイン!!エテニティ―レゲンドルイン!!」
これは高木なりの
「あ…目を覚ましたんですね。お体大丈夫ですか?」
(あれを聞いて怯むことなくこの俺の体を心配できるとは…中々やるじゃあないか。)
内心高木は感心しつつも、ぶっちゃけ怪しいのでその人物をじっくりと観察してみる。青年なのだろうが、少年だろうか?と見紛うほどに幼い容姿。
目、髪の色は黒色で、東南アジア系の色味である。だが顔つきは北欧寄りの美少年であり、非常に現実離れした見た目だ。だが、容姿に相反するように身長は高木と同等かそれ以上ある
顔は男と事前に言われれば男と確実に判別できると思うが、女性と言われれば女性とも見間違えてしまうような、中性的な容姿をしている。
服装は、高木に着せられた服と同じような
明らかに日本人離れした見た目だが、日本語を使っている。これが、神の言ってた
「……いや、誰だ…?」
高木は、その青年を警戒している。やはりどれだけお安全だと感じようとも、ここが
「あの…そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。僕はここ、『マクノ村』にあるギルドの受付係をやってまして。あ…名前、名前ですね!僕の名前はグレイ・マーソです。よろしくお願いします。」
「……なるほど…多分、おそらく、なんとなく大丈夫そうだな。良いやつっぽいし…よっし!よろしく頼む!!」
高木はその、
「よ…よろしくお願いします!!」
マーソは
マーソもそれで気が休まったのか、高木に対して喋りかけてくれる。
「それより、森で見たんですけど、あの魔術すごかったですね!!」
高木は確かに、
そして高木はその発言を聞き、思い出したかのように、手を視界の右下あたりに動かす。
やはりだ、何か小さいボタンのようなものがある。そのボタンを押すと、ピコンと音がなり、高木の視界にウィンドウが現れる。
「…っ!?なにこれ!?」
「ど…どうしたんですか?なにか体に不調などありますか?」
「ご、ごめん」
(マーソにこれ見えてないのか…もしかして。マーソ目が悪いんかな?それか…俺だけの特別…って、そんなわけないかぁ!!)
そう心の中で一人芝居した高木は、ステータス画面に視線を戻す。そのウィンドウにはこのような内容が書かれていた。
名前 高木 豪散
種族 人
通り名 全てを操る魔術神…
ステータス
保有スキル
不屈の精神
あなたは鋼の精神を持っている。
野生の勘
解析・鑑定
物体、生物に対する情報を見ることができる。
天性のバカ
あなたは天性のバカである
神の
あなたはすべての
”炎魔術”風魔術”水魔術”土魔術”雷魔術
”氷魔術”光魔術”闇魔術”核魔術”???
詳細な情報は各系統の魔術を押してみてね。
その他の魔術
詠唱一覧←ここを押してね!!
???% 0%
「ほぉぉぉぉぉ…」
高木は
普通の人間なら、これらの情報を見て困惑したり、ステータスとかゲームかよwと
【魔術】高木にとってはこれ以外の情報はほとんど
「す………す……すげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
高木は高らかに叫ぶと、余計なことは考えず、マーソの家から全速力で飛び出ていった。
「あ…あのぉ!!もう体大丈夫なんですかぁ!!」
そう叫ぶマーソの言葉に聞く耳を持たず高木は村を
この村はあまり
だが、辺りは見渡しやすかったので、目的の場所を素早く見つけることができた。高木は目的の場所を見つけると。
「ウォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
またも全力
そして目的地の、村から相当離れてかつ、開けた場所へとついた。
「魔術…魔術ぅ!!!!
高木はもう一度ステータスウィンドウを開き、魔術を使ってみる。それは、高木にとって心地良く響き、そして最も高木にとって好奇心が湧く魔術だ。
ステータス画面を開き、”炎魔術”と書かれた場所を押してみる。そうすると、初級~神級という文字と技名が表示される。
もちろん高木は、
「これが…
この地は、風に包まれ、
「ウォぉぉぉぉ!!」
魔術という言葉にテンションブチ上がりの状態の高木は雄叫びをあげ、開けた平原に向かって、手を向ける。
静寂が歩く
『30秒以内に詠唱をお願いします』
「……うぇ?」
(どゆこと?詠唱?なにそれ?さっきはそんなのなかったよね?)
焦る高木の額に汗が垂れる。一度落ち着いた頭でもう一度ステータスウィンドウを見る。そうするとステータスウィンドウの一番下に【詠唱一覧】という文字があった。
もちろん今新しく追加されたわけではない。元々ステータス画面の欄にしっかりと記入されていた。
なら、なぜ高木がこの事に気づけていないのか。それは
ただ、魔術本体以外に興味がなかった。これに尽きる。
だが、高木は何としても自身の意識下で魔術をぶっ放したいので、
『大地より湧き出でし炎の渦よ
神聖なるヴァルカンの
空に昇りし熱き光、我が手に集え。燃え盛れ、砕け散れ、
炎の神 ヴァルカンの
炎の神 ヴァルカンの怒りを その手により、発散させよ
天空に
高木はこの詠唱を見て「ヴァルカンの怒り」の時点で
目が覚める。
「目覚めすぎっだろうがぁぁぁぁぁぁ!!」
頭がふつふつと燃え
しっかりとこの天井は理解している。ここはマーソ家の天井であった。どうやら高木を心配したマーソに後をつけられていたらしい。高木は普段ならあの叫び声を聞かれて恥じていたことだろう。だが今は違う。
「……俺じゃ…俺じゃ使えねぇじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!!
あんの……くそ
詠唱という多量の情報を覚えなければいけない。それに、見ながら詠唱というのも
今、高木はその世界最強の力を持て余す。
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