第2話 夢の中で
ン、、、ここは、、、?
こんどはどこに連れてこられたんだ?
暗い
光はどこへ行ったんだ?
まさか俺はあの後寝すぎてしまったのか?
「ここは夢の中だよ」
「え?」
「もしかしてわたしのことわすれた?」
「その声はもしや、彩菜か?」
「うん。でもこの世界では誤って呼んでほしい」
「わ、分かった。それで誤、ここはどこなんだ?もしかしてだけど、死んで異世界転生したよかそういうオチ、、、」
「うんそういうオチ。それでね、あの事件の後君を救うには力が足りなくてね。少々問題が発生してしまったんだ。まずは君の身分なんだけどね。きみ、貴族になったよ。それも訳ありね。でも気にしないで、基本的に平和だし、家族も基本まともだから。ただ、夜は気を付けてね。でもまあ、前世で君が欲してたことだから大丈夫でしょう」
「えーと、それはつまりどういうことなんだ?」
「簡単だよショタ化だ。しかも性別は女の子として育てられてる」
おいおいマジかよ。特典付きかよ。
ショタコンで女装っこ好きの俺にとってはただただご褒美だな
「楽しんでるところ悪いけど、あとあれ、魔法使えるから。創造魔法。ほら君、小説で書いてたでしょ?あと魔力はかなり多めで生まれてるから無双できるよ。おめでとう。」
うれしいやらなんやら
「なあ、聞きたいことは山のようにあるんだが、そのまえになんていう世界のなんていう国なのかだけ教えてもらっていいかな。」
「いいよ、」
「まずこの世界についてなんだけど、ここは神の祝福により生まれた世界、テオトコス。全部でいつつの大陸からなる世界で、この国は五つの中でも特に広い土地を有する、ナターラアングレー大陸の中心国、エストビア。
私たちはエストビアでも特に力の強い侯爵家の生まれに転生したのよ。
家名はアルヴェーヌ・フォン・何とか。
君の場合はアルヴェーヌ・フォン・デルフィヌスね。
私はアルヴェーヌ・フォン・アヴリル
父親はアルヴェーヌ・フォン・ロートン
母親はアルヴェーヌ・フォン・ヴァイオレッタ
妹はアルヴェーヌ・フォン・ローズマリー
兄はアルヴェーヌ・フォン・ヨーゼフ
まあ、名前も長いけどお互い愛称とか短くしてよびあってるから、そこは気にしなくて大丈夫だよ。」
覚えられないな名前なっげー
でもかっこいいしいいか。
「と、そろそろ目が覚めるようだよ。じゃあまた現実で会おう。あ、口調だけ気をつけてね。」
その言葉を聞いた後俺の意識はまた薄れて途絶えた。
♰
「デルフィ!!」
「デルフィ様!!」
俺の名を呼ぶ声が聞こえる
「お医者様、デルフィは目を覚ますんですよね!?」
「侯爵様!!落ち着きください!デルフィヌス様はただ気を失ってるだけですから!安静にせねば体を悪くされてしまいます。」
どうやら俺のことで大事になってるようだ。
「父上、、、?どうなさったのですか?」
「で、デルフィ!!目を覚ましてくれたのだな!よかった、デルフィは三か月も昏睡状態のままでな、お医者様に手を尽くしてもらって助けようと粘っていたところなんだ。本当に目を覚ましてくれてよかったよ。」
「そうですよ、デル。あの日雷雨の中崖に駆け寄り、天に向かって懺悔をし始めたときは気がふれでもしたのかと思って悲しかったわ。それだけで終わらずに雷に打たれた時は本当にあなたの死を覚悟したの。」
声を聴くに、どうやらヴァイオレッタのようだ。
ふむ、声かわいいな。
てか何やらとんでもない事情があったようだな。
天に向かって懺悔?なにそれ怖い。
「懺悔?、、、」
「よかった、気は確かなようね、ほんとうにうれしいわ。」
物騒だなあ
そう考えているとまた声が聞こえた。
「デルフィ姉さま!目を覚まされたのですね、よかったあ、またお姉ちゃんと遊べるんだ。!!」
え、何この子かわいい。えーと、ローズマリーだっけ。名前もかわいいな
「ああ、本当に良かった。私もずっとデルフィヌスが心配で毎晩寝ることもできなかったのですよ。
本当に心配しました。さあ、愛しのデルフィヌス起き上がりになって」
ええ、愛しのっていった?今。
これやばそうだな
気を付けよう。
そして最後に現れたのは姉だ。だが、肩にダンゴムシが乗っている。
「は?」
「は?とはどうしたのかしら?」
「え?いや、肩にダンゴムシ乗ってるやんけ。」
「うん。それがどうしたのかしら。というか、あなた精霊の姿が見えるのね。」
「え、精霊?え、そのダンゴムシが?」
「ええ。この方は大地の神、ゴンザレスよ。」
「あ、ああ。なるほど。」
「これはすごい。まさかアヴリルに次いでデルフィヌスまでゴンザレス様のご祝福をいただいているとは。これはすぐにでも公表しなくては。いま、大精霊使いの職があいているんだ。デルフィ、いいかね?」
「え、ちょっとお待ちください。ご主人様、またそうやって勝手に行動しないでください」
混乱の中突然ロートンの口から出た言葉は、おれ含めその場の全員に混乱を与えた。
ゴンザレスの加護?てかこんなダンゴムシが大地の神ってマジかよ。信じらんねえ。
でも真実なんだろうな。感覚でわかる。アヴリルの正体は誤だ。
何ならこの混乱の原因の一つであるダンゴムシの関しても、見覚えがある。
こいつはおれが前世で書いていた小説に出した神である。
確かダンゴムシの姿は、大地の神がダンゴムシ大好きな変態だからだ。
人の姿をしているときは、ぱっつんのショタだったはず。
そんなことはいい、とりあえず静かにしてほしい。
「あの、皆様、少々混乱しており、話が呑み込めません!いったんひとりにしてくださいませ!!」
おれは慣れないしゃべりながら頭をフル回転させ、言葉を放った。
「すまないデルフィ。そうであった、まだ目を覚ましたばかりであったな。皆、どうやらデルフィは記憶にもまだ混乱が見られるようだしそっとしておこう。
だがデルフィ、一人にさせるわけにはいかぬ。すまないが普段デルフィの面倒を見ている専属のメイドのみこの場に残してゆく。いいかな?」
「ええ。だいじょうぶです。」
専属のメイド?そんな人がいたのか、一人になって確かめたいことがたくさんあるが、仕方ないそれに少し楽しみであるしな。
その後家族たちは口々に心配そうな言葉を投げかけたのち、おれと専属のメイドを残して去っていった。
そして問題のメイドだが、二人いる。
二人は背が低く童顔で、片方は髪の長い少女。片方は同様に髪が長いが少年のようである。
なんでも二人は俺の着替えから、風呂、食事、勉強、剣や魔法の訓練まで付き添うメイドらしい。
うっほー
男の娘メイドっすか
これはいいなあ
だが一歩間違えればBL展開まっしぐらではないか
これはいけませんなあ
「あのー、ごめんね、二人とも名前がわからないんだけどおしえてもらえるかな?」
「ご、ご主人様本当に記憶をなくされてしまったのですね。ぼ、僕の名前はキャロンです!ぼくはご主人様が五歳の誕生日を迎えたころから付き添わせていただいてるめいどです!」
「私はエデュアルト。呼びにくい名前ですので、普段はアルトとお呼びでした。キャロンより一年早くからデルフィヌス様にお慕いしておりました。デルフィヌス様の身の回りに関しては、掃除からお着換え、大人の営みまでお教えしてきました。記憶をなくされてしまったとしてもかまいません、私はまたいちからお教えしましょう」
なんだと、、、身の回りのこと全部とな、、、、、ああ、これはエッチな展開の予感が、、、
楽しみであるが、少し生生しすぎて怖いな。
でも!たのしみ!
「そっか、ふたりともよろしくね!」
「「よろしくおねがいいたします」!」
「じゃあさっそく聞きたいんだけど、魔法って使えるの?」
「使えます。ですがそのまえに。ご主人様その口調を改めて直す必要がありますね」
「使えるんだー、、、、。え?口調?」
「ええ、ご主人様は体は男でありますが、この家では女として育てられています。ご主人様の服装も、今は部屋着なのでわかりにくいですが形から入るため、普段着は白を基調としたスカートの裾が短いドレスをお渡ししています。さらには、万が一の場合に男であるとばれないように毎晩ご執心になる前に私が体も女子と同じ感度に調教しています。記憶を失ってもそこは変わっていないと思いますが、口調は別です。
いくら体が女のようであっても、今のように男らしさのある喋りでありますと、大問題も大問題、すぐに正体がばれてしまうでしょう。ですから変えねばいけないのです。」
アルトが長々と語った中にはとんでもないこともあったが、どうやら重要な話のようだ。
自分が女として育てられている理由はわからないが、仕方あるまい。
そんな特殊な家庭に転生してしまったのだから。
「わ、わかったわ。しゃべり方には特に注意するわね。」
「よろしくお願いします。幸いご主人様の声のトーンは女であるといわれても疑いがないほど美しく透き通った声ですから、心配はないでしょう。しかも、とある神との取引のおかげで声などに関しては女性のように成長するとわかっていますから、ご安心ください。」
ふう、とりあえず落ち着くか。
いや、もはや心の声ですらも女の子にしてしまいましょうか。
もとより前世で悩んでいたものがかなったも同然ですからね。
では、女としての人生を始めましょうか‼
そう心の中で叫んだデルフィヌスは疲れから眠りにつくのであった。
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