第43話 聖女は死霊病とグール化を解き明かします!①
私――アンナ・リバールーンはゾートマルクの街の
そして昼、
ただし、それは半分しか解決していないことに気付いてしまった。
ウォルターがルバイヤ村に旅立った翌日の朝、私とパメラは宿屋の一室で考えていた。
「
私はため息をついてパメラにつぶやくように言った。
「どういうこと?
パメラは驚いた顔で私に聞いてきたので、私は答えた。
「よく考えたら、それは半分だけ解決できたということ。
「え? そ、そういう考え方もあるか。っていうか、何で赤ワインが
「それはまだ言えない」
私はきっぱり言った。
だからどちらも答えが出ないと、真の正解に
「グール
「ったく……。あんたは何でも一人で
パメラがそう不満を口にしたとき……。
「おいアンナ、パメラ! 起きてるか。す、
ジャッカルの声が部屋の外から
「ウォルターが戻ってきた! 白魔法医師をたくさん連れてきているぞ。早く外に来い!」
私とパメラは顔を見合わせた。
◇ ◇ ◇
私たちは街の入り口に急いだ。
ウォルターと六名の白魔法医師たちが街の入り口付近に立っている!
「ほほう、ウォルターはやりましたね」
私たちと
「おお、何と。グラモネ様がいらっしゃる! あの方は元白魔法医師長ですよ」
「ラーバス、久しぶりだな。元気かね?」
グラモネという老人はラーバスに
ラーバスはグラモネ老人に向かって、深く
二人は知り合いか……。
「ちっ、何だ。本当に白魔法医師を連れてきちまいやがったのか。ゾートマルクの医師は俺だけで
医師のゴランボス氏は舌打ちして不満をぶちまけた。
「あなたがアンナさんか。聖女だと聞いている」
グラモネ老人は私に近づいてきて言った。
「私はグライモス・グラモネだ。ウォルターから君が様々な人の病気を
「ど、どうもありがとうございます。光栄です」
私はそう答えつつ、ちらりとウォルターを見た。
ん……? ええっ?
「ウォルター! 何だか体が
「え? そ、そうか?」
ウォルターは
私はハッと気づいた。
「あっ、そうか。
「ま、まあそうらしい。実感はそれほどないのだが。これから修業
ウォルターは袋から
中には緑色のドロドロの液体が入っている。
「こ、これは!」
「これがグール
「ウォルター! すごいわ!」
私は思わず声を上げた。
これで
しかしこの
「では、誰かに頼みたいことがあるのだけど」
私は周囲を見回し、看護師のポレッタを見やった。
「ポレッタ、申し訳ないけど
「何でしょう? 私が力になれることだったら、何でも言ってください」
「――それは良かったわ。私は
私は川の
あれはどうやらこの街の公民館らしい。
「あそこの公民館の会議室を借りて、人を呼べないかしら。それから新品の赤ワインを、
「はい、どちらもお
ポレッタは静かにうなずいた。
ポレッタならこの街に長く住んでいて顔が広いし、看護師として信頼されているから
「え? 何だ? ワインが二種類? 初耳だぞ!」
パメラは目を丸くして私を見た。
――私はこれから皆に、
◇ ◇ ◇
三時間後、私は
ポレッタがうまく手配してくれたのだ。
私が会議室の
そして
「くだらん、まったくもってくだらん! 聖女などというまじない師が、
ゴランボス氏は腕組みして、ギシリと
「しかも俺に
私はゴランボス氏に、「
「これより
私は会議室にいる人々に宣言をした。
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