第40話 聖女、死霊病の原因を探る 202407042218
「もしかしてお酒に近い、それ以上に気持ちの
私が言うと、パメラとラーバスは顔を見合わせた。
しかし私はこの問題――
何者かが
◇ ◇ ◇
リースマン氏はよろよろと
「知らない人に会って
ラーバスは言ったが、パメラは「あたしを
グール
それも疑問だが……。
「彼らの食事を知りたいのです。それがこの事件の鍵になります」
私がラーバスに言うと、彼は深くうなずいた。
「口で話すよりも実際に
「ラーバス先生、私はゴランボス先生の様子を見てきます」
ポレッタが言うと、ラーバスはため息をついて「頼みます。ゴランボス先生を怒らせるとお金が入ってこないですからね」と言った。
やはりゴランボスという人は、この街にとって重要な人物なのだ……。
◇ ◇ ◇
私たちはジャッカルと合流し、デアーチェ・ロゼタンさんの家に向かった。
ジャッカルがブツブツ言った。
「おいおい、俺、グールになりそうな女の家に行くなんて嫌だぜ」
「いいからさっさと来な。危険な目にあったら
パメラはジャッカルに言った。
――
これがデアーチェ・ロゼタンさんの家か。
中に彼女はいるのだろうか?
「デアーチェさん」
私たちはそう呼びかけつつ、玄関のベルを鳴らした。
しかし反応がなかったので、「お邪魔します」と言ってそっと彼女の家に入った。
――年配の女性が
目の
しかし!
彼女は突然立ち上がり――いきなりパメラ目がけて飛びかかってきた。
「う、うわああああ! まただ!」
パメラが背中から抱きつかれた!
デアーチェさんは衣服を着ていたが、
口には
グール
「くそ、昼間のグール
ジャッカルがデアーチェさんを後ろから
しかしデアーチェさんは立ち上がろうとしている。
「近づかないで! デアーチェの爪で引っかかれたら『
ラーバスはそう叫んで呪文を唱えた。
するとデアーチェさんは
――強制
「もう、最低!」
パメラはわめいている。
ふう……だけど誰にも
「彼女の食事はこの水分ですか?」
水が入った
机に置いてあったようだが、さっきの
デアーチェさんは床にごろんと寝てしまっているままだ。
「グール
ラーバスは注意するように言った。
「
「おっ! 赤ワインだ!」
ジャッカルが
見ると机の横に赤ワインの
口は開いているが中身はたっぷり入っているようだ。
コルクは無いようだが……。
ということはかなり
「よさそうな
「き、君!
ラーバスはジャッカルに注意したが、彼は少し赤ワインを手に出してなめてしまった。
「ちょっと味をみるだけだって。……おや? ものすごく甘いぞ。『エード』みたいだ」
「えっ? ものすごく甘い?」
私は首を
それはおかしい。
赤ワインは
私もこの赤ワインを少しなめてみた。
ちなみにエードとは
「アンナ! 君まで……」
ラーバスは声を上げたが味をみてみないと始まらない。
少量だ、問題はない……と思う。
「この味は……!」
甘い……赤ワインにしては驚くほど甘いといえる。
何か嫌な予感がする。
「甘すぎる
聖女医学の教えにそうあったことを思い出した。
……そ、そうか!
「私はさっき『お酒に近い、気持ちの
私は皆に言った。
「しかしそれは
「ほ、本当ですか?」
ラーバスは目を丸くした。
私はそれにうなずいた。
「それをお話するために、いったんこの家を出ましょう。新品のこの赤ワインと同じものを手に入れてからご説明します」
私は
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