第34話 白魔法医師の青年、ラーバス
「……あなた方、何者……?」
青年は私たちを
「待ってください!」
私は叫んだ。
「落ち着いて! 私たちは敵ではありません。――その
「
青年は地面に落ちている自分の杖を拾い上げながら言った。
この青年の
着ている白ローブの形、腕につけている
白魔法医師とは
この白魔法医師は誰の味方だろうか?
「僕たちは旅の者だ。
ウォルターが
それを聞いた青年の顔から、
「ふむ。私は見ての通り白魔法医師です。自己紹介くらいはしておきましょう。私はラーバス・アンテルムという者です」
ラーバスは
「あなたたちのお知り合いにも病人がいると。……しかしここには近づかないほうがいい。早く帰りなさい」
「なぜだ?」
ウォルターが聞くと、ラーバス白魔法医師は答えた。
「このゾートマルクは
い、一体どういう街なんだろう?
私が考えていると、ウォルターは一歩前に進み出て聞いた。
「そのことについて
「ほほう? ローバッツ工業地帯から来たのですか? あそこはもう
「どう危険なのですか? あなたも白魔法医師ならば、ローバッツ工業地帯に来て私たちの友人の娘さん――ターニャを助けてあげてください」
私は少し腹を立て、ラーバスを見やって言った。
「ターニャは
「何ですって?」
ラーバスは私を見た。
「ローバッツ工業地帯の村に、
「私はその
「……ふむ……」
「もっと助けがいります。あなたも協力していただけませんか」
「無理ですね」
ラーバスは冷たくそう言った。
「帰ってください。邪魔です」
「そんな言い方はないじゃありませんか。あなたは白魔法医師でしょう? 人助けをするのがお役目では?」
私は自分の言い方は、大変ぶしつけで
しかし何としても協力者が欲しかったので、こんな言い方になってしまった……。
「私には仕事がある。君たちの相手はしていられないのです」
ラーバスはもう
そのとき――。
「きゃあああ!」
叫び声がしたので後ろを振り向くと、パメラの背中に何かがいる!
ひ、
こ、この魔物、どこから出てきたんだろう?
「ちょっとおお! あたしが何したっていうのよ!」
パメラはわめいているが、魔物はパメラの背中にべったりと抱きついて離れない。
その魔物は
しかし服を着ているし、髪の毛が生えている……。
えっ?
――人間?
魔物はパメラの首を、腕で後ろから
「どけえっ、この野郎! パメラ、地面に倒れろ!」
ジャッカルが声を上げた。
パメラは男性を背負ったまま、よろよろと地面に倒れ込んだ。
ジャッカルはその魔物を、自分の武器の
「攻撃するのはおやめなさい!」
ラーバスがジャッカルに向かって声を上げた。
「地上の者よ、眠れ!」
ラーバスが呪文を
するとジャッカルとその紫色の
い、今のは強制
この
パメラはあんまりびっくりしたのか、わんわん泣いている……!
ジャッカルも寝てしまっているし、ど、どうなってしまうの?
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