第16話 決着、そして真の物語の幕開け
ウォルターは息をつき
その悪魔兵士と呼ばれた男は――私を
グレンデル王国を追放されたはずのジムだった――。
「ウォルター
彼は一見、普通の男性――兵士に見える。
だが彼が体にまとう「
「グレンデル王国最強の
「ジム……君は悪魔に……女王に魂を売ったのか?
「私はただ、強くなることが
すでに体の色は
……私はジムを見ていて
彼はすでに悪魔と
「ジム、それがお前の考える
ウォルターは
「では
「
ジムは
ウォルターはそれをいとも簡単に見切り――後方に
「なっ……なんだと」
イザベラ女王は目を丸くして驚いていた。
「何をしている、ジム! お、お前は悪魔の力を得たのだぞ!」
ジムは首に当てがわれた
「ジム、それではダメだ」
ウォルターは
「う、うわあっ」
ジムはそれをかわそうとして急いで右に横っ飛びして、それを
ジムは巨体を起こしてすぐに立ち上がった。
しかし、彼の顔から大量の冷や汗が出ている。
いつの間にか、ジムの「みぞおち」にウォルターの
――
しかし
「う、うぬぬぬっ! ウォルターめ、そんなおもちゃで何ができるというのか!」
女王はいらだちを
「ジム! ウォルターを
ジムはあわてて
しかしウォルターは一歩前に
そしてジムの
ジムの巨体は尻もちをつき、斧は吹っ飛んだ。
「斧を横に振る場合は遠心力を使う。そのため欠点は内側となる。……
ウォルターは
「お前のその悪魔の力は見事なものだ。だが、人間らしい
「ふふっ……」
ジムは
「とても
ジムは
「馬鹿者めっ!」
ウォルターは
彼のナイフは
ウォルターは再び声を上げた。
「こんな
「う、うわああああっ!」
ジムは叫んでウォルターの両手首を
ジムの体を取り巻く
その
「よしジム、よくやったぞ! ウォルターよ、お前も悪魔となるのだっ」
イザベラ女王が叫ぶ。
――しかしウォルターは表情を変えない。
ジムの流し込む
「う、うおおおおっ!」
ジムが
ウォルターの体の
聖なる
「はあっ、はあっ……」
ジムは
「なぜだ! なぜ私の悪魔の
「それはな、ジム。僕が強いのではない。お前が悪魔に魂を売ってしまったからだ。
「こ、こ、これが
ジムは顔を上げ、ウォルターを見上げた。
「き、聞いてください。女王は国全体を悪魔に売ろうとしている。そして王は……グレンデル国王は殺される」
えっ? どういう意味――?
そのとき、私たちの頭上で何かが
部屋全体が
ジムの体に
イザベラ女王は燃えるような恐ろしい目をして、右手を上げている。
女王がジムに向かって
「あ、ぐ……そ、そんな」
ジムの巨体は
ジムは――息絶えている……!
「まったく使えぬ男――ジムよ。見ているのも腹立たしい。
イザベラ女王は振り返り、
「待って!」
私は叫んだ。
「ジムの言った、『女王は国全体を悪魔に売ろうとしている』『グレンデル国王は殺される』――どういう意味ですか?」
「聖女の
イザベラ女王は笑って言った。
「お前たちはここで生き
部屋が
「逃げろおおっ」
「この部屋、
パメラとネストールが叫ぶ。
「アンナ! 一緒に逃げよう!」
ウォルターは私に向かって声を上げ、私の手をとった。
彼と私は一緒に出口まで逃げ出した――。
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