第12話 元騎士団長様をお助けします!②
ここは宿屋、「
私とパメラ、ネストールの三人が、ジャッカルとグレンデル城への
デリック王子の
私たちはウォルターを取り返す作戦を開始することにした。
「……よし、それでいい」
ジャッカルが宿屋にきて、私を見て言った。
「こんな格好で行くの?」
私は自分の格好を宿屋の
私とパメラは
肌もあらわで、へそも出して結構
私もパメラも髪を後ろでまとめ、髪型をいつもと違うようにした。
「……俺、この格好嫌だ」
そう言ったネストールの服装は曲芸師のものだ。
「三人とも、ブツブツ文句言うな。ウォルターの命がかかっているんだからさ」
ジャッカルは腕組みをして言った。
私たちの
ロッドフォール王国の中央地区、リンドフロムは水商売と
「
ジャッカルは私たちを見て真剣な表情で言った。
「なぜならパーティーには、
「おへそ……」
私は
おなか――おへそが丸出しなのが
世の中の
「このバカみたいな格好をしただけで、城に入り込めるの?」
ネストールは自分のへんてこな曲芸師の格好を
「いや、それだけじゃ不完全だ。パーティーの
「
パメラは眉をひそめてジャッカルに聞くと、彼は答えた。
「デリック王子の人気のなさは
ジャッカルは壁掛け時計を見た。
「さあグレンデル王国に行こう。俺の紹介だと言えば、ほとんど
◇ ◇ ◇
私たちはネストールが
やがて二時間かけて、馬車はやっとグレンデル城近くに着いた。
グレンデル城前の庭園にはすでにたくさんの人々が集まっている。
デリック王子とジェニファーの
ほとんどが貴族やどこかの王族だと思われるが、平民らしき服装の者もちらほら混ざっていた。
他には
「申し訳ありません。パーティー
庭園で周囲を見回していると、見回りの若い男性兵士が私たちに声を掛けてきた。
あわてて
「
若い兵士は私やパメラ、ネストールを
まずい――。
すると……。
「彼女たちは俺の知り合いなんだよ。城の中に入らせてやってくれないか」
私たちの後ろについてきたジャッカルが言った。
「なんだ? あんた……」
若い兵士は後ろを振り返り、ジャッカルのほうを見て――。
「あっ、これはジャッカル
彼はあわてて敬礼した。
「こ、この
「あ、ああ、まあな。――とにかく彼女たちを通してやれ。仕事で来てるんだから」
「申し訳ありませんでした! まさか皆さん、ジャッカル
若い兵士は私たちに対して頭を下げ、城の門の前に案内してくれた。
そして門番に話し、門を開けてくれた。
(やるじゃん、ジャッカル)
パメラはジャッカルの腕を
(ゆ、油断するんじゃない。本番はこれからだろ)
ジャッカルは腕をさすりながら言った。
(何とか中に入れるわね)
私はパメラに小声で言った。
さて……ウォルターはどこにるのか。
地下の
◇ ◇ ◇
「パーティー会場は一階大ホールです。よろしくお願いします」
さっきの兵士は敬礼をして庭園に戻っていった。
私たちは
「おい」
ジャッカルは一通り見回りをしてきて、大ホール前の廊下にいる私たちに言った。
「すぐの地下の
「
ネストールは言った。
「さっきも話したけど、俺は
ネストールの特技は
昔、
「うむ。
ジャッカルは少し考えこみながら言った。
「ウォルターは前回の
「どういうことです?」
私はジャッカルに聞いた。
「アンナ、あんたは城の左手にある地下一階の
「じゃあ、別の場所に
「そうだ。だからウォルターの居場所を誰かから聞き出さなくてはならない」
「おいおい」
パメラは顔をしかめた。
「ウォルターの居場所を教えてくれる親切なヤツなんているのかよ?」
「いや、一人思い当たる人物がいる。彼女はこの城の
ジャッカルがそう言ったとき、私たちの後ろから声がした。
「よぉ、
振り返ると、そこには
ネストールはナイフを
「こら、無視すんじゃねえ。姉ちゃん、遊ぼうよ~」
貴族の男は真っ赤な顔でヘラヘラ笑っている。
パメラは「ぶん
私は「
聖女の魔法を使って――この場を切り抜ける!
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