第3話 騎士団長様が牢屋を出られました!
「私は知っている! 本当はデリック王子がウォルター・モートン――あなたを殺そうとした!」
「えっ?」
私は
「王子は、ウォルター・モートンの
ジムは声を上げて、話を続けた。
「
「ジム、それは――」
ウォルターが何か言おうとしたときも、ジムは話を止めなかった。
「いいや、言わせていただきますよ、
ジムがそう言うので、私はもっとその話を
「そ、それでウォルターはどうしたの?」
「ウォルター
「そ、それは――ほ、本当ですか?」
私がジムに聞くとジムは大きくうなずいた。
「当たり前ですよ、本当です。私は見ていたんですから。他の
「ジム……」
「ウォルター
ジムがそう言うと、私は大きくうなずいた。
「ウォルター、あなたが本当に無実ならば、この
「僕が……
「ええ、そうよ。ウォルター」
「しかし、僕が外に出たら
「今の
ジムは怒ったように言った。
「デリック王子の選んだ
「しかし……今さら……」
ウォルターは人間として、
無理もない。
二年間もこの
しかし私は
「あなたは心配しすぎです!」
私は彼の目をしっかり見て言った。
「さあ、ウォルター! きちんと身なりを整えましょう。髪の毛を整え、もう一度念入りに
「……ぼ、僕がか」
「ウォルター
私は力強く言った。
ウォルターは静かに黙っていた。
しかしその目は希望に燃えているようだった。
「さあ、開けますよ!」
ジムは
◇ ◇ ◇
ジムがいろいろ手配をしてくれたのだ。
私はジムと一緒に城の
「ウォルター
ジムは
「ある日、例の正当防衛の事件が起きて――。
「しかし、どうしてデリック王子は、急にウォルターを牢屋から出そうと思ったのかしら」
「今まで何回かデリック王子のもとに、『ウォルター
「
「ええ。『ウォルターを
「そうか、それで……。デリック王子はさすがに『ずっとウォルターを
そのとき――。
「ねえ! アンナ! 例の
ジェニファーがクスクス笑いながら、私に近づいてきた。
「まったく、アンナと
「今、彼は
「あら、そうなの?
そのときだ。
ザワッ
そんな人々が
「あっ! ウォルター
ジムが声を上げた。
城の庭園にやってきたのは――。
それはそれは立派な素敵な男性だった。
その男性こそ、元
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