第18話 お手入れ
「リヒトくん、恥ずかしいけど、はぁ、凄く気持ち良い……こんなの初めて」
「そう!? エルダさんは王宮にいたんでしょう? だったらマッサージの経験位あるんじゃない?」
「う~ん、あったかも知れないけど、昔だから忘れちゃった。だけど、こんな感じのは初めてだよ」
確かに、マッサージ位は経験があるけど、リヒトくんのマッサージは違う。
マッサージの時に裸になった記憶は無いわ。
てっきり『エルダさん、服脱いでくれるかな』 そう言われた時はこれからするのかな……とか、若いから夜まで待てないのかな。そう思っていたけど違ったの。
「どうかな!?」
「本当に気持ち良いわ」
『ベッドにうつ伏せになって』と言うから、そのままうつ伏せになったんだけど……
リヒトくん特製ローションを垂らされ……マッサージが始まったの。
それが本当に気持ち良い……肌に特製ローションが染み込んできて、なんだか肌が若返った気がするし、ミントが入っているのかスース―する。
しかも、顔には変なマスクをされたんだけど、これも特殊なローションが染みていて顔に染み込んでくる気がする。
「そう、それは良かった。それじゃ今度は前の方をするから、仰向けになって」
「なんだか恥ずかしいな」
確かにちょっと照れるけど……
「エルダさんと俺、もっと凄い事しているじゃない?」
そう言われれば、そうなんだけど……やっぱりこれは恥ずかしい。
体の隅々まで見られて、普段以上に強く揉むように触れられて……
「ちょっと、リヒトくん……そこは……あっ」
胸から大事な所迄、ローションがすりこまれて行く。
「ちょっとくすぐったいかも知れないけど我慢して」
「ハァハァ……解ったわ」
このマッサージ、肌のうるおいを保つ為の物なんらしいけど……体もほぐされて、火照ってきて……凄く気持ちが良い。
「はい、終わり……一緒にお風呂入ろうか? 今度は髪の手入れをしてあげるから」
「リヒトくん、凄く嬉しいけど……これ他の子にもしていたの?」
なんだか、胸がモヤモヤする。
私……焼きもちを焼いているのかな。
「したのは初めてだよ? こんな事好きな子にしか出来ないよ」
好きな『子』ね。
リヒトくんにとって私は『子』なんだね。
「そう?」
嬉しくてつい顔がニマニマしちゃう。
「化粧水や石鹸は作ってあげた事はあるけど、俺からしてあげることは無かったよ……と言うか恋人でも無いのに出来ないって」
「そうなんだ……嬉しい」
「喜んで貰えて俺も嬉しいよ。お風呂に入ろう。ローションを洗い流さないとね。今回はシャンプーとリンス、ボディシャンプーも作ったんだ。髪の手入れもするからねさぁ入ろう」
「うん……」
凄いなぁ、リヒトくんって。
転生者って聞いたけど、本当に手入れが上手いんだから。
お風呂に来た。
髪も洗って貰えてその洗い方が凄く気持ち良い。
髪も体も凄く綺麗になった気がする。
「それじゃ、リヒトくん! 私、美容的な事は出来ないけど、お礼にリヒトくんを気持ち良くしてあげる」
「えっ、エルダさん……」
折角、石鹸もあるし、お風呂だから……石鹸を泡立ててと……
そのまま、胸や股間に塗って……準備OK。
「ビクトリア王国に石鹸を使って気持ち良くなる方法があるんだ……ソーププレイって言うんだけど、リヒトくん、気持ち良くするからほら横になって」
リヒトくんって本当に可愛い。
顔を赤くしちゃって……
「うん……」
出来る事とやりたい事は違うわ。
だけど、リヒトくん相手だと自分から『やりたい』と思っちゃう。
こんなのは……初めてだよ。
◆◆◆
エルダさんにお風呂で何回も気持ち良くして貰い……その後ベッドに移って3回もしてしまった。
エルダさんって最高だよな。
綺麗で優しくて強くて、家事も出来て床上手。
こんな完璧になんでも出来る女性なんて他に知らない。
それが俺の奥さんなんだから……凄く幸せだ。
エルダさんは今俺の腕の中にいる。
「リヒトくん、これからどうしようか?」
本当は、暫く此処でお金を稼ぐつもりだったんだけど……
エルダさんが地竜を狩ってくれたから充分なお金が手に入ってしまった。
「エルダさんのおかげで纏まったお金が手に入ったから旅を続けようと思うんだ」
「旅って楽しいよね……尤も私はリヒトくんと一緒なら何処でも楽しいけど」
「うん、俺も同じ。だけど、旅をしながら住みよい場所を探して、良い場所が見つかったら家を建てて永住するつもりなんだけどどうかな?」
「それ凄く楽しそうだね」
「俺はエルダさんと一緒なら何時でも楽しいんだけどね」
「リヒトくんったらもう……」
エルダさんが横にいる。
それだけで毎日が楽しい。
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