第2話 村にて......


え~とリヒトです。


今、まさに勇者パーティを追い出された所ですが全然気になりません。


俺これでも一応転生者なんで……


尤も前世は只のフリーターだったんで、そんな凄い能力なんて無いですが、仕事の経験は豊富だし、勇者パーティに入ってレベリングされた状態だから冒険者として暮らすには問題はない。そこそこ、幸せに暮らせるような気がします。


大体、幼馴染が勇者だからという理由で、無理やりついていかされたものなので……追い出されても悔しいなんて全然思わない。


ただ、昔からの友達が全員目の前から居なくなった……それが、少し寂しい。


それだけだ。


◆◆◆

そんなこんなで村に帰ってきた。


『何もかもが全て懐かしい』


とは良く言ったもんだ。


田んぼ、畑……綺麗な湖に森。


前世ではインドア派の俺でもこの景色の素晴らしさは良く解る。


前世ならキャンプや旅行でしか出会えない光景が日常的にある。


悪く言えば田舎だが、この世界、街に行ってもコンビニも無く酒場や娼館以外夜には閉まってしまう。 割り切ってこっちの方が良いかも知れない。


問題は『エルダさん』だ。


エルダさんは俺の子供時代から憧れていたお姉さんだ。


ライトと話をし正式に俺が貰ったとは言え話しづらい。


エルダさんになんて言おうか……


取り敢えず、ライトの家の前に来たけど……


言えないよな『ライトからエルダさんを貰いましたから、今日から俺の物です』なんて……


本当にどう言おうか……


「あれ、そこに居るのはリヒトくんじゃない? 懐かしいな、どうしたの?」


「エルダさん!?」


考えているうちにエルダさんに見つかってしまった。


「どうしたの? 愕いた顔して……うん? 時間があるなら上がっていかない?」


「是非……」


しかし、いつ見ても凄いプロポーションだよな。


バストは下手したら100を越えるんじゃないかな。


ヒップだって90を超える様な気がする……


それなのにウエストは60cmくらい……


まるで前の世界で言う 巨乳グラビア体型が近いかも。


黒髪をサイドテールと言うのか横で縛っていてそれが凄くセクシーだ。


綺麗で可愛いい30歳位のお母さんとか人妻とかが一番近いかも知れない。


それで、顔は可愛いと綺麗を両方持っているんだから、凄い。


「どうしたの? 私の体なんて見つめて……」


「いやエルダさんは凄く綺麗だなって、そう思って」


「うふふっ、そんな事言ってくれるのはリヒトくん位よ!? お世辞でも嬉しいわ……久しぶりに話も聞きたいわ。さぁどうぞ!」


「はい」


やはりエルダさんは俺にとって特別な人だ。


リメルにマリアンヌ、リリアと話しても俺は顔が赤くなったりしない。


でもエルダさん相手だとどうしても顔が赤くなり鼓動が早くなるんだ。


◆◆◆


家にあげて貰った。


と言っても此処はエルダさんの家じゃない。


ライトの家だ。


この地の領主バルトマン騎士爵、ライトの父親が亡くなりライトが遺産として受け継いだ家。


今は勇者として旅立ったライトの代わりにエルダさんが管理している。


「それでどうしたの? ライト様と一緒に旅を続けていると思ったんだけど、この村に戻ってくるなんてどうしたの?」


「それが……」


俺は自分がパーティを追い出された事についてエルダさんに話した。


「へぇ~そう言う事なの? それで、なんで私が欲しかったの? 私、知っていると思うけど? 今じゃかなりポンコツで資産として価値ならないわよ! まさか、子供の頃から言っていた『エルダお姉ちゃんと結婚したい』とか?」


「その通りです」


胸を揺らしながら見つめられると照れてしまう。


「え~と、あとでショック受けると困るから言うけど? 私5桁を越える男性経験あるけど良いの?」


1、10、100、1000……1万。


「別に構わないよ」


「そう? 私経産婦で子供を産んだ事もあるよ。結構な人数……皆が私の事なんて言っているか知っているんでしょう? それに、もう子供はきっと産めない体だと……思うんだけど本当に良いの?」


「うん、大体は想像ついていたから、平気……これからの人生で俺だけを愛してくれればそれで充分だよ」


「そう……そこ迄覚悟しているなら良いよ。リヒトくんの物になってあげる。 それじゃ後で奴隷商に行こうか?」


「ど、奴隷商?」


「うん、早くリヒトくんの物になりたいから……行こう」


「良いの?」


「うん、リヒトくん……小さい頃からずうっと私の事好きだったでしょう? もう我慢しなくて良いから……行こう」


「うん」


こうして、俺はエルダさんに連れられ奴隷商に向かった。


◆◆◆


「はい……奴隷紋の書き換えは終わりました。 これでこの女性は貴方の物です。 書類も王宮に提出しておきますね。金貨1枚になります。ありがとうございました」


あっさりエルダさんは俺の物になった。


奴隷商にお金を払い外に出た。


今は街中を二人で歩いている。


「これで、バルトマン家とも正式にお別れかぁ~永かったなぁ。今日からはリヒトくんがご主人様だね……宜しくね!リヒトくん」


「宜しくね、エルダさん!」


エルダさんが俺の手を取って歩き出した。


「今迄は、私はバルトマン家の物だったから、リヒトくんの想いに応えてあげられなかった。私はバルトマン家の財産だったからね……でも今なら応えてあげられるよ。どうする?」


「どうするって?」


「宿屋に行かない? 思いに応えてあげる」


頭がぼうっとするなか、俺はエルダさんに手を取られ歩き出した。











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