【カクヨム10参加作品】奴隷譲渡!? 勇者パーティを追放される俺は文句を言わない代わりに、勇者が父親の遺産で貰った女奴隷を貰う事にしました。

石のやっさん

第1話 いつもの定番じゃ無かった。

パーティリーダーであり勇者のジョブを持つライトが俺に告げてきた。


「悪いが今日でクビだ」


「そうか、まぁ良いや」


 ライトとは幼なじみだが『いつかはこうなるだろうな』位は何となく思っていたし、覚悟もしていた。


 確かに友達だが、此奴にはどうしようもない悪い癖がある。



 剣聖のリメル


 聖女のマリアンヌ


 賢者の リリア


 それに俺が加わり、五人揃って勇者パーティー『漆黒の風』そう呼ばれていた。


やや中二病な名前だがまぁライトは勇者だし、剣聖や、聖女、賢者まで居るから可笑しくない名前だ。


だが、このパーティには問題がある。



それは三人が女だという事だ。


ライトは基本そんなに悪い奴じゃない。


だが、一つだけ俺から見てクズの所がある。


それは『女癖の悪さ』だ。


俺は、それで此奴の全部は否定はしない。


女癖以外は案外真面な奴なんだよ。


確かに友達ではある…だがライトは『友情』より『愛』を優先する。


そういうタイプだ。


最近の俺は他の皆から取り残されていた。


ジョブの差で成長した3人に能力が追いついていないのは事実だ。


仕方ない、俺はただの剣士だからな。


実質、雑用係だし、別にクビになっても良いと思っていた。


だってそうだろう? 揉めてまで一緒に居ても仕方ないし、多分本当にそのうちついていけなくなる。


しかも、家事全般を俺に押し付けてくるから俺だって面白くない。


此処を出れば、俺だって幾らでも次がある。


こいつ等が凄いのは認めるけど、此処さえ出れば俺にだって次がある。


別に困らないな。


いや、寧ろ此処を出た方が多分幸せだな。


「ついて来れないのは分かっているだろリヒト」


「そうだな、確かに剣士の俺じゃ皆について行くのは……難しい」


ライトはこのパーティをハーレム状態にしたいんだ。


その為には俺は邪魔だな。


「勇者として大きく飛躍するには大きな手柄が必要なんだ。残念ながらお前とじゃ無理なんだ。なぁ分かってくれよ、パーティを抜けてもお前が親友なのは変わりないからな。」


これで親友だと思っているから質が悪いんだよ。


マジでこれが親友にする事なんだぜ……



まぁ、いいや……ハーレムに俺が居ても仕方ない。


他の奴もきっと同じ考えなんだろうな


妹分のリリアもう昔のような妹みたいな目で俺を見ないし、完全にライトの女になっているのも知っている。



「私もライトの意見に賛成だわ!貴方はもうこのパーティについていけないじゃない。きっと近いうちに死ぬか大怪我をするわ。さっさと辞めた方が良い......これは貴方の事を思って言っているのよ」


「リリア......そうだよな......ありがとう!」


まぁ、そう言うだろうな!ライトの女なんだから。


別にライトと一緒に寝ていようが俺は気にしないんだが、同じテントに他の男がいるのが嫌なのが本音だろう。


年頃の女の子が彼氏とイチャイチャしている姿を兄貴に見られたくない。


うん、解るよ。


ふと、リリアの指に目がいった。


薬指には見知らぬ指輪が身につけられている。


これはライトが買い与えた物だろう。


他の2人も同じ指輪をしていた。


ハーレムパーティに俺は要らないよな。


俺もなんだか気まずいから、居たくないし。


そう言う事だが、まぁ一応確認はしておくか?


「リリア……俺は本当に必要ないんだな!」


「……」



「責めている訳じゃない。あくまで確認だよ」


「もう、貴方は要らないわ」


あくまで確認だ。


家事や雑用をどうするのか......


大丈夫なのか?


追いだされる俺が考える必要は無いな。


「まぁ、ライトは良い奴だ、幸せになれよ!」


「解ったわ」


「これで兄貴分は終わり。これからはライトに守って貰えよ」


「ごめんなさい!」


「気にするな」


悲しい顔しているが、そんな必要は無いのにな……


まぁ少し寂しいが、妹に彼氏が出来た位だ。


相変わらず、勘違いしているな……妹みたいな女の子に色目なんて使わないよ。


「大人しく村に帰って田舎で冒険者にでもなるか、別の弱いパーティでも探すんだな」


「そうだな、村に帰ろうかな」


 こいつはリリアが俺と付き合っていると勘違いして寝取った。


リリアに特殊な感情は無いし、少し困っていたから、まぁいいさ......


親友だがこの女癖の悪さとマウント癖…治らないものかね。


ライトは勝ち誇った顔で俺を見ている。


思いっきり、俺を見下している。



何をしても優秀で、顔も良くて、家柄も良い、おまけに勇者に選ばれた。


此奴がこうなるのも仕方ないな。


黙っていれば誰もが『お前は凄い』そう称えるだろう。


だが、このマウント癖で台無しなんだよな......だから『残念勇者』なんて陰口叩かれるんだよ。


ライトは親友だ……一応な。


残りの三人は幼馴染。


思いが無い訳じゃないが『男女』としては俺には思えない。


ハーレム作りたいなら、それで問題無い。


夜、男同士で『ハーレムが欲しいんだ』そう相談してくれよ。


そうしたら、それで終わったのに……


まぁ良いか……


「さようなら、リヒト」


「さようなら」


「貴方より!ライトの方がごめん...」


「悪いな……」


 4人の幼なじみが一斉にお別れの言葉を言ってくる……少し寂しいな。


そう言う気は全くないが今までの人生で長い時間を過ごしたからか、結構寂しさはこみ上げてくるもんだ。



「余り酷い事言うなよ リリア!リヒトだって俺の親友なんだからな」


「まぁいいや……」


「それじゃ、パーティから抜けてくれるんだな!」


「ああ、抜けるのは了承した!だが、分配はどうする? お前達の装備や必要な物優先したから、多分、今ある現金やアイテム全部貰っても割りが合わないんだけど?」


「待て、お前……金持って行くのかよ!」


「そうよ可笑しいわ」


「意地汚いぞ」


「どうしてそうなるのよ!」


駄目だ此奴ら……


「良いか?お前達の通常の生活は国から貰う支援金で賄っている」


「そうだ、だからお前に取り分など無い」


「はぁ~、思いだせよ……それじゃ足りないからって俺が稼いだお金随分足して生活してたよな? 剣なんて使えれば良いのに、豪華な鞘を新調したり、豪華な食事を食いたいって王侯貴族並みの食事をしたり……それは全部俺の金だぞ……まさか無一文で放り出そうとか思ってないよな? 」


「お前の言い分は解るが。パーティの資金は減らせない。解ってくれ」


「いや、これは貸し付けた様なお金だから、返して欲しいって言っているだけだ」


「幼馴染なんだから、それ位くれたって良いじゃない?」


「そうだ、僕らはこれから魔王討伐の旅を続けるんだ」


「そうよ、そうよ」


まぁこう言う事を言う奴らだとは解っていたんだけどな……


「それじゃこうしないか? お前達に貸したお金は諦めるよ。その代わりライトの持ち物で欲しい物があるんだけどくれないか?」


「俺の持ち物は貴重品ばかりだ。やれない物の方が多い。一応聞いてやる! 何が欲しいんだ!」


「エルダさんを俺にくれないか?」


「へっ!? 」


「だから……奴隷のエルダさんを俺にくれって言っているの!」


「ああっ、あれか、あんな淫乱ババアで良いならくれてやるが……本当にアレ欲しいのか? 300人以上の男と関係を持っていた女だぞ! ただ、抱いた男なら1000人を超えるんだぜ......あれで良いならヤルよ……それで文句なく抜けてくれるのか?」


「ああっ良いよ」


「リヒト……本当にあれが欲しいの……変態だわ」


「エルダって『家畜女』ってあだ名があるじゃない……幾らなんでも.......」


「あんな、便所みたいな女が欲しいんだ……キモイ」


「何と言われても気にしない。 それじゃちゃんと商会ギルドで書類を作ろうぜ……他は今の装備と金貨5枚(約50万円)それで手をうつがどうだ」


「よし、乗った」


「「「リヒト最低……」」」


もう関わらないんだ。


なんと言われても関係ないな。



 さようならだ...




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る