明確に時代設定があるわけではないのですが、パッと映像が浮かびます。美しい情景の中で、後妻の子である澪と、造り酒屋の息子である義兄である恭祐の物語。歪んでいるのか純愛なのかその曖昧な境界線がかくも美しい。美しさと、その裏側にある狂気。紫陽花と、雨。是非とも、この世界観に酔いしれていただきたいです。
ミステリーなのかはわからないけどとても美しい文章を書く方です。酒造りの玉とか、アジサイの庭とか切なくなるほど、色鮮やかな景色が見える一遍でした。