第2話 スマホに嫉妬する。

珈琲の香りが漂った。

マグカップを持ち上げて鼻に近づける。


「なに?」彼女はじっと見る。


「ううん、ただ見てただけ。美味しい?」


「まだ飲んでないよ」


「ふーん」


彼女はスマホ画面に目を向けた。


僕のことはもう興味無くなったらしい。


テレビをつけて気持ちを紛らわした。


スマホを見ながら笑う彼女に嫉妬した。

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