第7話 家猫に

喧嘩のあとの怪我はなかなか治らないまるでした。

「若い頃には、ペロペロしたら直ぐに治ったのに、、。

足もよろけるねぇ、、。毛並みも悪くなってきたわね。」


おばあちゃんちに行くのも時間がかかるようになりました。


「まるちゃん、疲れたでしょう?

お水を飲んだら?」


まるは喉がからからでしたから、勢いよくペロペロしたらムセました。


「あら、おほほほ、私と同じね。

ゆっくりよ、まるちゃん。」

おばあちゃんはナデナデしてくれました。


「まるちゃん、生きる物はね、歳をとって

いつかは空に帰るのよ。

おばあちゃんの方が早いかもしれないわね。

そこでね、まるちゃん、そろそろ、家猫さんになったらどうかしら?

おばあちゃんでは、無理なのよ。

わかるでしょう?」


「おばあちゃん、そんな悲しいことを言わないで。いつまでも、まるのそばにいてにゃ。」


「おばあちゃんもそろそろね。一人暮らしは無理かな、、。

施設ってところがあるのね。

そこで、同じようなお年寄りと暮らしたらどうかってね、話があるの。

だからね、まるちゃんも家猫さんになって欲しいの。」


「、、、。まるは、、、。」


「今すぐじゃなくてもいいわ。考えてみてね。

さぁ、ご飯を食べましょう。」


白いご飯におかか。茹でてほぐしたささみ。


「いただきますにゃ、、。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る