第5話

「硬派、硬派」

学校の屋上は昼寝の場所だ。

眠るには非常に心地よい。

硬派は授業をサボってこの場所に

四時間もしけこんでいた。

「寝朝ちゃんと連絡取り合ってるのか?」

友人の白島伸一は硬派と妙に気が合う。

だから今日も日がな一日硬派に付き合って

ここにいるのだ。

「なあ、硬派ってば」

伸一が硬派の体を揺すった。

「うるせえなあ、もう少し寝かせてくれよ」

「まあ、おまえの気持ちもわかるよ。ようやく寝朝

ちゃんとバラ色の青春が送れるとおもったら

いきなり音信不通だもんな。ふて寝もしたくなるよな」

「なんだ、あんなオンナ」

ケイタイが鳴った。

「ああ、ああ、寝朝か、なに、怪獣になる?

バカ!怪獣にでも怪人にでもなれ」

「どうした?」

「ああ、寝朝ちょっとイカレチマッタみたいなんだ」

硬派が金網をつかんでグランドを眺めた。

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