第4話

「麻号寝朝です、これからこの事務所で

心機一転がんばっていくつもりですので

スタッフの皆さまどうか寝朝を

よろしくお願いいたします」

「嗚呼、まあ、固くなんなや。すわれ」

タトゥー産業のCEO林澤降臨は彫りの深い

顔立ちをしていた。背丈は高く、ちようど

木の幹を連想させた。

「ハイ」

「いいか、寝朝、今、芸能界は百花繚乱の戦国時代だ。

売れるためにはそれ相応の犠牲を覚悟しなけりゃ

ならん。できるか?」

「ハイ、もちろんです」

「オマエには怪獣になってもらう」

「わかりました。怪獣のぬいぐるみを

きるんですね」

「ちがう。本物の怪獣になるんだ」

「へっ?」

寝朝はてっきり降臨が冗談を言っているのかと思った。

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