第2話

「硬派、お前の彼女

事務所クビになったんだってな?

よかったな。寝朝ちゃんのオッパイ

がまた吸えるぜ」

下校の最中、友人たちに冷やかされながら

東硬派は悪い気分ではなかった。

恋人の寝朝がアイドルなどという

たわごとではなく、ようやく自分の

もとにかえってきてくれるのだ。

いわば天にも昇る心持ちだったのだ。

「ハイハイ、どうとでもいってください。

なんでもききますよーっ」

「おおーっ、きっしょーっ。金ヅルを

うしなってとうとう気が触れたか」

友人たちが口々に悪口をいう。

しかし硬派は大満足だったのだ。

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