第3話 ここから逃亡兵
『ねぇ、欲しいの』
「無理だよ、俺だって頑張ってるけど出ないものは出ない」
『粗P野郎』
「だから、それ止めろって!マジで傷つくんだからな!」
『真面目な話エネルギーが全然足りないんだけど』
「俺様の少ないMPでも運用出来るんじゃななかったの?」
『あなたが余計な機能要望するせいで、予定より大幅に必要MP増えてるの!
それの対策として取り付けたエネルギーパックもほとんど空っぽだし、空のエネルギーパックなんてただの重しよ、せめて何処かでモンスター狩って魔石回収したいところね』
「でもどうする?
こいつ置いていくわけにはいかないだろう」
『異空庫に仕舞うしか無いわね』
「異空庫?これ仕舞うって、そんなデカい異空庫用意出来るのか?」
『この機体に搭載してるわよ』
「えぇ!あでも、これしまったらマリーとやり取り出来なくなるんじゃ無いか?」
『そうね…じゃあデバイス作りましょう』
そう言うと、俺の目の前に何かが現れ出した。
バスケットボールくらいのサイズで薄緑色、それ細い手足がついた様な…あれ?
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待った!これはマズイ!俺の中でこれはダメだよ言っている!」
『あら?あなたが前に言ってたお供を具現化したのだけど、ハローって挨拶する機能も付けるわよ』
「却下!他の形にしてくれ」
『しょうがないわねぇ』
そう言うと、形を立方体にし出した、色も黄色に…これは、サイコロだよな?
「ストップ!ストップ!これもダメな気がするんだが」
『えー、この形はびっくりドッキリして愛が目覚めるって言ってたじゃない、好きなんじゃ無いの?』
「好きだけども、勝利のポーズ取りたいけども、そもそもサイズが大きすぎるだろ、もっと小さくて可愛いのにしてくれ」
『注文多いわよね、妖精型にするわ人工精霊でよくある形だし』
「あ、ああ、それでお願いする」
女の子が大好きな人形サイズの妖精が現れてきた。
『これでどう?』
これはこれで、狭間の世界の聖なる戦士みたいに見えるが、割と妖精はポピュラーだから許容範囲内かな。
レオタードみたいな服と水色じゃなければ俺も心の安寧も保たれるはずだ。
「服の色は黄色にして、フワッとした服装にしてくれ」
『こんな感じ?』
「オーケーオーケー、これ仕舞うとして何か俺が使える武器はないのか?」
『んー、ゴーレム用の装備しかないわよ、あ!ヨーヨーなら使えるかも』
「ヨーヨー?なんじゃそりゃ?」
『知らないわよ、あなたがヨーヨーって呼んでたからヨーヨーって名付けただけで言われたら通りに武器作っただけだし』
あ、これも俺か…て、事は…。
「なぁ、この機体って竜巻起こせるか?」
『あら、よく分かったわね、風属性と雷属性を混合した竜巻起こす機能ついてるわよ、ただ風属性と雷属性を発生させるギミックまで詰め込めなかったから、あなたが風と雷属性覚えないと使えないわよ』
「覚えれば使えるんだ」
『あ、ヨーヨーには雷属性変換器搭載してるから、魔力込めれば雷属性攻撃出来るわよ』
「…いたれりつくせりだな」
『あなたの為に作ったのよ、あなたが望んだものは可能な限り付けたし、今後も拡張できる様に設計してあるわよ』
彼女の愛を感じる。
「とりあえず、外出て仕舞うか」
『そうね』
従魔国の兵士だろうゴブリンを殲滅したから、敗残兵の追跡するほど余裕も無いと思うが念のため山越えする事にした。
『索敵の機能だけ残して他のものは全てオフにしたわよ、これならエネルギーそこまで使わないから』
「分かった」
急な逃走だった為、準備する時間が全然なかった。
その為、碌に食い物も飲み物も持ってきてないので、ゆっくりしている暇がない。
「山越えして、早急に食料補給しないとな近くに村落あれば良いけど」
『あら、簡単に補給する方法あるわよ』
「ん、そんなのあるのか?」
『ええ、索敵したら山の中に人間の集団が居るのを見つけたわ』
「山のなかぁ?それって山賊じゃないのか?」
『おそらくそうね』
「流石に山賊は食料分けてくれないだろう」
『殲滅すれば良いわ、ゴーレムならイチコロよ、2つの腕の膨らみはなんでも出来る証拠なの』
「なんで、そのフレーズ知ってるんだ?」
『あなたが酔っ払った時に歌ってたわよ、面白いフレーズだから覚えてたのよ』
腕じゃなくて、胸だけどな!
ま、そんな事はいいや。
「でも、ゴーレムのエネルギー無いんじゃないのか?」
『そこそこ大きい魔石持ってるモンスターを捕捉してあるわ、頑張ってね』
「勝てるかなぁ」
『そこは頑張ってよ』
「はーい、わっかりましたー」
とりあえず、エネルギー補給の為魔石回収に向かう事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます