第39話
『本当、何故剣王と剣帝が同じ時代に生まれないのか疑問だったが…お前、さては知っているな?』
「まあ知ってはいるけど…教えられないよ。いくらもう死ぬって奴にも教えられないんだ。仕方ないね。」
『何故だ。……いや、そりゃそうか。死にそうな人ならO Kなんて言われないか。残念だ。』
「それで?そろそろお別れにしたいんだが、まだ言い足りないか?」
『じゃあ最後だ。俺はお前の中でどれほどの強さだった?』
「……正直に言おう、TOP10入りはしてない。10以下はほとんど決めてないから具体的には言えないけど20〜30くらいだな。」
『ははっ、微妙すぎてなんとも言えない数出すなよ…まぁ最後がお前で本当に良かった。これで俺は剣聖として終わることができる。お前の実力なら大丈夫だろうが、一応気を付けとけよ、アイツは強いというよりタフくて執念深い厄介な野郎だからな。』
「そうか、忠告感謝しといておくよ。」
『………ありがとうな。』
逝ったか。正直俺が剣神じゃなく剣聖だったらもっと苦戦、いや負けていただろうな。お前が弱い訳じゃない上位20位の輩が異常すぎるだけだ。なんなら最上位3位までのやつは倒してないからなぁ。
え?最初に「異世界の剣聖体より弱い」って言ってたのに強い部類なの?って?そらそうよぉ、異世界の方にいたデュラハンの剣聖体より弱いってことだよぉ。
ま、そんなことは置いといて帰るか!ちょうどボスはデュラハンが…サンダスが倒しておいてくれたからな。てか戦闘中一人も入って来なかったけど本当に人気がないんだな。
素材があまり取れないビギナーダンジョンだもんな。そりゃ仕方ないな。
さ、帰還用ポータルに乗ってっと。
地面から強烈な光が出で周りが見えなくなったと思った瞬間地上に戻ってきていた。さぁここからもっと大変な報告タイムだぁ。
__________________________
一時間後、ギルド外
「ぐへー、つっかれたーー!」
報告に一時間もかかるとは思わなかった。どうやらあの絡んできた野郎、有名な初心者狩りとして手配されていたみたいなんだ。
だから俺が入って行った後にそいつらしき奴が入って行ったから心配していたそうなんだ。
俺もすっかり忘れていたんだが、ずっとGPSのついた時計で位置を確認していたそうなんだ。いやぁ焦ったね。だって位置を知っている奴があの配信を見てたらバレるのでは!って思ったからね。
でもよくよく話し聞いてみたらギリギリバレなさそうなストーリーが作れる程度には穴があった。どうやらこのGPSはいる階層しかわからないみたいだ。職員が嘘付いていたら分からないとか関係なく、ダンジョンが時空の歪みを発生させている事が裏付けとなっているのだ。
元々GPSと言われて「ダンジョンにGPS?いけるん?」と思ってたのだ。案の定このGPSは世間一般のGPSと違うダンジョンに組み込まれているシステムだったのだ。
ギルドカード自体ダンジョンのシステムに組み込まれてしまっている。だから討伐数とか最高到達点とか記録されているのだ。ダンジョンの摩訶不思議なシステムじゃないと不可能だそんな事…
話を戻して、俺がいる階層しかわからなかったからどうなっているか職員は知り得ない為、俺は「なんか知らんけど10階層に着いたら、知らない奴が首無し騎士と壮絶な戦いをしてたから見学していた。そう言えば一人倒れていた気がする」と言う野次馬精神バリツヨ一般人になりきったのだ。
説明に時間かかった…特に後ろにいた奴がなんで前にいたかの説明が厄介だった。俺だって知らんがなでスルーさせてもらった。だって、アイツと俺が同じ階層にいたって証拠はどこにもないだろうからね。
あんな事する奴だぜ?ギルドの正式な手順踏んでないだろうからGPSだって持ってないだろうしね。職員も「いつの間にか標的が変わったのか?」って言ってたからなんとかなったんだろう。
ただ、一つ不安要素がある。アイツいつから配信してたんだ?裏とは言え映像という記録が残っていてはいずれバレるかもしれない。最後シイルドで事故に見せかけてぶっ壊したけど不安だ…
いいや入った時から姿を偽装したんだ。バレても俺じゃない!でごり押ししようかな。
なるようになるか!
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