第37話
始め重力魔法は上下の操作しかできないと思っていた。ただ、一つ疑問があった。実際星の重力って下へ向かっているのか?とね。
そう、宇宙規模で考えたら星の中心に向かって何らかの力が働いているのであって、人間から見たら下へ向かっているように見える力は星規模でその人から45°ずらした位置を見ると力は横になっているのだ。
単純そうに見えて意外とこの力を左右に反映させるのは難しかった。だから俺は考えた。この力は重さを使っているのではなく、この謎パワーによる力をベクトル操作しているとね。
だから今デュラハンに重力魔法で操っている盾で相手している。
右へ左へ飛びながら隙を見ては攻めるという、ヒットアンドアウェイで戦っている。デュラハンの一撃は剣聖のだせる最高の技『一閃』の威力を出しているし、移動はずっと縮地と同じ速度を出している。だが、距離は出ないみたいで通常の縮地なら俺の所まで来れるだろうな、と言える隙を出してもこちらに来る気配はない。
どうやらあの盾をぶっ壊さないとこちらには来ないだろう。それが罠だとは知らずにね。狂気前なら気付きそうな罠なのに狂気後になるとまんまとハマってしまう…正直やはり狂気はデメリットでしかないだろう。
だが確かに一撃一撃が強力すぎていつまでも受けるわけにはいかないだろう。まぁ全部攻撃を流しているからそこまで被害はないが、たまに縮地を見切れずに攻撃をもらってしまうのが厄介極まりない。
だから俺もシイルド操作を本気でやってやろう。ちなににこの盾の名前はマジでシイルドにしてある。だっっs……と思うだろうが沢山武器やら装備やら製造してたら、何個もできるし、それの名前全部センス良く名付け出来るほど俺はセンスがいいと思えなかった。だから俺はほぼ全て見た目で想像できた名前をつけている。
正直何度かダサいと言われたが性能重視の俺が名前を気にすることはない為、何も思うことはない。そう、何言われても気にしないのである。
ま、まぁそんなことは置いといてこれから俺は本気でアイツを倒しにかかる。そろそろ疲れてきたし焦ったい。だからここでおしまいにする。
__シイルド、縮地!
バシュウという風切り音とともにデュラハンの背後に回る盾、ここで畳み掛ける!
__シイルド、流れ星!
シイルドによる高速回転による遠隔魔力操作を使った細かい飛剣の嵐を喰らわせる。が、さすがの剣聖、狂気状態でも冷静に対応してるかのように剣戟をサバいている。
が、それすらも罠。
その間にシイルドに大量の魔力を送りシイルドによる大技でデュラハンを大幅に怯ませて、今こっちで準備している大技を当てる。それで終わりだ。
この階層に響き渡る大量の剣戟の音、この音には剣と剣の音だけでなく剣とデュラハン自身の体の鉄の音が混じっている。もしコイツが体だけで剣戟を受けても問題なしとシイルドに特攻されたら厄介だ。
後もうちょっと………よし!
__シイルド…バアアストオオオオ!!!
いつ俺が剣技による大技と言った?……って一人煽りしても仕方ないか。このシイルド、とある盾ブーメランを参考に相当改造している。剣だけじゃなく砲塔もつけてビームを撃てるようにしているのだアア!
はっはっはぁーーデュラハンの鎧が赤熱してこれだけでも倒せそうだなぁ!って言ってる間に準備準備………
古き良き…いや古くもないか今の時代…刀を腰だめに構えて居合の準備をする。ただの居合じゃない、重力魔法を利用した一撃を繰り出してやる。
魔法を武器で使用するのは杖以外だと魔力伝導率が悪すぎて現実的じゃないが、剣神はそんなのは関係ない。杖以外の武器の伝導率はミスリルの素材であったとしても世界の法則かのように悪くなるが、剣神は低位とはいえ神の部類なので世界の法則から外れることができる。
だが世界の法則から外れることは相当な作業なためそれ相応の時間がかかる。しかも飛剣の類ではない為、ある程度近寄らないといけない。
だからシイルドバーストでこちらに引き寄せて…と言うより押し出して切る!
デュラハンも赤熱しているとはいえ、耐えている。2本のビームを剣と体で耐えている。このままやっても耐えきられてしまうだろう。剣聖体デュラハンは通常デュラハンより大幅に耐久値が高いと言う噂は本当だった。
異世界の通常体デュラハンより耐久値が高いのは当たり前だが、異世界での剣聖体デュラハンよりも硬いとは思わなかった。正直この程度の実力で耐久値が高いのはビックリだ。
さぁこれでお終いだ。単純で最強の技でこの戦闘を終了しよう。
____剣神流、空間断絶
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