第35話
と言ったけど俺は真面目にやるが普通にはやってやらん。
簡単にはやられんって感じだったけど俺の出す攻撃は一撃だ。一撃で片付けてやる。
簡単に殺せると言うことを分かって貰わなきゃなぁ。
アイツはもうほとんど忘れてるだろう。
しょうが無い。
『グガアァァァアアアアァァ!!』
そりゃそうだ。
『アアアアアアァァァァァァ!!!!!』
これはそう言う物だ。
『アアア!!!』
ガキイイイイン!!!
そりゃそうだ。俺と敵対してなくてもこの子は感知が難しい。
このシイルドと呼んでる飛ぶ盾はね。
この子には強力な『感知妨害』『認識阻害』『感知忘却』『視覚阻害』と言う理不尽感知妨害系スキルを取り付けているのだ。ただ、妨害系を重ねがけしすぎて、攻撃時は真逆のヘイト集中させるスキルが発動するようになってしまっているがな。
少しでも気を逸らさせれば無限初見殺しの誕生だ。
この盾は先端に一本、左右の側面に一本づつビィムサーベルを取り付けてある。つまりこの飛ぶ盾は俺の操作次第だが、剣聖とも戦えるのだ。
動力は異世界で極めに鍛えた重力魔法さ。
極めすぎてカンスト超えてレベル表記がエラー起こすと言う謎事態に見舞われたほどだ。しかもそれに付随して魔力操作のスキルのレベルが逸脱してエクストラスキルまで昇華してしまったのだから自分でも異常と言わざるを得ない
他の魔法も使ってみたかったのだが重力魔法を極めすぎて、魔法を覚えるのに必要なキャパシティを全て重力魔法に捧げた為、他の魔法を覚えるのに必要なキャパシティが無くなってしまったのだ。
そのレベルで極めた重力魔法で動かす盾だ。そりゃ手足のように動かせるに決まっているだろ!そう、剣神の手足のようにな。
先ほどから響く鍔迫り合いの音が止む。デュラハンが後ろに飛び、シイルドはそんなことはお構いなしに少し回転を加えながらデュラハンに迫っていく。
異世界にきて、魔法を学び、重力魔法に出会った時電流が走ったのだ。「これはドラグ○ン、フィンファン○ルにできるんじゃないか!」とね。
思い立ったら即行動!魔法の学びを一度見送って、魔力操作を極めることにした。
魔法を細かく操作しなきゃなんだ。これをしないでガン○ムになんてなれないんだ。(出来てもなれません、はい)と極めに極めまくった。
睡眠、食事、適度な運動以外は魔力操作!とやっていったら、いつの間にか魔力を自分の手足のように扱えるようになった。
だが重力魔法は難関だった。魔力操作を極めるなんて初歩の初歩だと気付くまでそう時間のかかることでは無かった。
自分の周りの重力を知覚することすら至難の業だった。いつも感じるこの地面に向かった圧力、当たり前のように付き合っていた重力がこの時の俺には1%も理解できなかったのだ。
そもそもこの力は重力なのか?
星の力?
星規模で見た何らかの現象によるエネルギー反応?
星の中心の歪みから起こる?
何故あんなにも容易く鳥は飛べるのか?
地球で何故飛行機が直線(星に対して平行)で飛んでいられるのか?
鳥なら身体が軽いからって理由で分からなくはないけど、あの鉄の塊が?
海の波打は月の重力が関係している?地球の何分の一しかないのになんで?
俺からしたらこの思考の海にいた時間がもう永遠に感じていたのだ。そして辿り着いた(?)自分なりの答えが『そういうもんだ』という事だった。
理解しようとした所で俺には難しい事だ。考えるのをやめてそういうもんだと割り切ろう。と考えたら直ぐだった。
こっちに移動、あっちに移動と簡単に動かせる事が出来るようになった。
そして第二の関門が立ちはだかった。
それが細かな操作だった。正確な操作だった。
前へ行け、上に飛べ、地面にめり込めなんてことは出来たが、剣を振れ!なんてことは出来なかった。
剣を振るには持ち手を固定して、剣身を振り下ろせ!位の事でもキツイものだった。
だがそれはもう経験すればなんとかなるものだったから萎えなかった。
やって行けばいつかはできる!極めてやるぞ!と気合いが入った。
最初は着々と進めた。ここを固定してそっちを動かす。真ん中固定で回転!なんて順調に進めた。
これならやれる。頑張ってガ○ダムになってやる(なれません)と意気込めた。
そうして意気込んで、10年の月日が経った。
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