第30話
『あの程度の爆発で俺を倒せると思ったのか?その光る棒と言い俺を馬鹿にしているのか?』
「おぉ〜お前ちゃんと喋れるんじゃねぇーかー?最初からそうしてくれよ。今でもノイズ音だから不快ではあるけど、ようやくしっかりとした会話が出来るじゃあないか。」
聞き取れなかった時よりは聞こえるが、ラジオのノイズ音が鳴り響く中みたいな状況で声が聞こえるって程度なので未だ聞き取りづらく、マジで不快である。
『オマエと話す事なんてあるわけ無いだろ?そう言うなら、せめてさっきの質問に答えて欲しいもんだな?その光る棒で俺を倒せると思っているのか?ってね。』
話すことは無いとか言ってるが、話せるようになる前は何回か話しかけてたじゃあないかとは言わないでおこう。
「倒すのは簡単なんだけどさ?流石の俺も楽しく戦いたいじゃん?瞬殺とか面白みの欠片も無いじゃん?せめて一方的にやりたいじゃないか。」
『何?それは勿論、俺がオマエをって事だよな?』
この話の流れでよくそんな判断出来るなぁ。逆にそのポジティブシンキング見習いたいとこだよ。
「んな訳無いじゃんw君にそんな実力無いよ。」
『なんだと!?』
「だってもうさっきの戦いで君の底見えちゃったもん。あれで俺以上と言えるなんて、あれは力隠してたんだってのも通じないぜ?二閃を動きながらした程度で身体軋ませてるんじゃまだまだその程度って事だよ。」
『なっ!?オマエ……二閃を知ってやがったのか!?』
おうおう焦りすぎて見えないはずの表情が体の動きでよく分かるなぁ。二閃は剣聖流の技であり、剣聖の称号以上を持ってないと知り得ない技、たとえ剣聖流の技の書物があったとしてそれを素人が読んで名前を覚えても、剣聖流は剣聖以上のみしか扱えぬ技であり素人は覚えても数日で技名すら記憶から抜けるような仕掛けになっているのだ。
だから俺が知っているのは可笑しいと流石にわかったみたいだ。
『何故……何故その名前を知っている!?ま、まさか…まさかだよな?オマエ、剣聖なのか……?』
「いんや?俺は剣聖じゃないぜ?まぁそんな事はどーでもいいんだ。さっさとやろうぜ?雑談する為に向かい合っている訳じゃ無いだろう?」
『そうだな。力尽くで聞いてやる。死ぬ前までには答えて欲しい物だな』
ようやく会話ターン終了か。長かったなぁ。そうでもない?建設的じゃない会話は疲れるだけだ。どーでもいい会話は敵とするものじゃないなぁ。
「来いよ。」
『後悔するなよ?』
地面の破壊音と共に飛び出してきたデュラハンを見て最初に思った事は、嗚呼、もうヒビの入った金属は直っているのかぁ、程度だった。
向かってきたデュラハンの剣を身体をそらせつつ、最小限の動きで剣で弾いて威力を逃がして行く。
草原の空間だと言うのに辺りには剣戟の音が鳴り響く。
『剣聖流、断地刀!!』
「おおっと!」
辺りに響く大きな衝撃音と共に地面に亀裂が走っていく。
断地刀は剣の柄からゆっくり(比較的)魔力が流れていき、当たった場所から破壊されていく魔力による内部破壊の技である。
これは魔力の流し方が特殊な為両手で持って魔力を流さないと発動しない上、着弾点を破壊する魔力を流す為一定時間剣に通したままにすると剣が爆発してしまうのだ。
その為ほぼ絶対上から下へ振り下ろして地面に当てないといけないので軌道は凄く読みやすい…いや、確定で読めるのだ。少しフェイント入れられたところで地面に当てると言う制約が相当効くのである程度斜めになると遅くなる為、当てられない時のデメリットがでか過ぎるから誰も使いたくないのだ。
何故こんな技が剣聖流に存在するのか疑問なんだ。
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