第21話 とある視点:Part1
さて、今日は何をするかね?
昨日は…嗚呼、適当なダンジョン入ってそこら辺にいた適当な配信者イジって遊んだんだっけなァ。
うけけっ、マジであれは爆笑モンだったなァ!
ちょいとトラップ敷いてやったら引っかかって焦った時の顔!しかもダンジョンのトラップだと思い込んでるあの馬鹿さ加減!
しまいにゃ10階ボスを強化してやったら壊滅しやがってさァ!笑いそうになったの堪えるのに必死だったわァ!
あ〜あぁ〜あのダンジョンが特徴的なヤツじゃなかったら目の前に出てやったんだがなァ。流石に目の前に出たら、帰り際に正義振りかざしてるヤローに襲撃されちまうからなァ。
嗚呼、残念だ。
と、いう訳でェ!気持ち切り替えて行こうかァ。
今日はアキバダンジョンに来たから場所はバレにくいからやりたい放題だぜェ。ホント、ここのダンジョンにビギナー物が3つもあって楽しみ放題だぜェ?
ビギナーは殺しても上で復活するからやりたい放題してもな〜んも言ってくる奴いねェからなァ!罠にかけても、ぶった切っても復活しやがるから配信者襲っても確定俺って証拠が無きゃサツも動かねェから楽で楽で仕方ねェぜ。
しかも、しかもだぜェ?ビギナー物は全国都道府県にあって、それも同じようなテーマのダンジョンだから表の配信でも配信しながら悪行出来るんだよなァ。
まァ俺は表の配信はする気はねェけどなァ。
さて、今日もたんまり稼がせてもらうぜェ?
今日のターゲットはァ……おん?
なんだァ?アイツはァ?
如何にも初心者で〜すって言っているような装備してる奴はァ?
しかも変な盾しか持ってねェけど武器は持ってねェのか?
……ああ言うヤツ、俺の経験からすると『馬鹿みてェに自信持ったヤツ』か『マジもんの馬鹿』か……
どっちかって言われたら『マジもんの馬鹿』の方が厄介なんだよなァ…トラップ仕掛けたら一発で当たって更にそれで直ぐ死ぬっていうおまけ付きなんだよなァ…
『馬鹿みてェに自信持ったヤツ』なら引き帰さにゃイケねェ。大抵こう言うヤツはマジもんの強者だ。俺みたいな悪人が出会ったら消されちまうよォ。まァ俺なら逃げきれるけどなァ。
だが今回は…動きからして馬鹿の方だ。一応、一層だけ様子見したがシールドバッシュしか使わねェ雑魚だ。それしか使わねェ…いや、使えねェんだろゥなァ。マジもんの雑魚だな。
これは、久々に楽で楽しい仕事になりそうだなァ!
うけけっ雑魚を相手に出来るのは久し振りだからなァ。最近はビギナーダンジョンに単独で来る奴なんて余りいなかったもんなァ。居たとしてもそれがいつ何処でなんて決まってないから俺らみたいな日陰者からしたらそうそうねェから助かるぜェ。
5層から始めさせて貰おうじゃねェか。
にしてもアイツ、シールドバッシュしかしねェで行けてるけどちょいとだけ警戒度を上げておくとするかァ。まァまァ技術は高そうだが俺よりじゃァねェなァ。シールドバッシュも技術のねェヤツが見様見真似でやっても弾かれねェでよろけてやられるだけだ。力を流す技術がねェと意味がねェ。
これは初めから舐めてかかったら痛い目見るのは俺かもしれねェ。少し気合入れて行くかァ。
裏配信する身としてはビギナー野郎にやられたらそれはもう引退より酷い事になるからなァ。裏配信者の俺よりもっとやべェヤツが俺の所に集まって来る事になるからなァ。
勿論被害者のヤローの所にも集まるがそれの比じゃねェ位集めちまうんだよ。どんなにあのビギナー野郎が結果強くても、俺はコイツらに『ビギナーより弱えヤツ』ってレッテルが貼られちまうからなァ。
もう陽の光も浴びれなくなっちまう。
いや、アイツをヤっちまう以外に俺が助かる道は『アイツが途方もなく強い』時だけだ。画面の前からでも分かるとてつもない強さなら注目は俺じゃなくてアイツになるから助かるんだ。
どうせなら……
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