第20話
今日は蕎麦の気分だった為、近くにあった蕎麦屋で天ぷら蕎麦を食べてもう一度戻ってきた。
ギルドカードを貰って直ぐダンジョンに入れるかとウキウキしていたら、
「おい、何でこんなとこに子供が居るんだよぉ?」
デタァーーー!テンプレだーーー!主人公絡まれストーリーだーー!
ってなっているけど当事者は俺じゃない。そう、俺じゃないのだ。まぁ、俺に絡んでいたら速攻裏拳放ってふっ飛ばして問題になってただろうからね。
だってダンジョンに入れる直前だよ?楽しみを前に邪魔が入ったら妨害を取り除くのは当たり前じゃないかぁ。
え?呼び出し喰らった方が時間かかるだろって?いや、絡まれて何もしないでいたって激昂して襲いかかって来ただろうし、結局絡まれたら時間だけ食うだけなのだ。
「おぉい!ガキは帰ってママに抱きついて寝てやがれよぉ!」
と、特殊なチンピラだーー!選ぶ言葉が特殊過ぎるチンピラだーー!何だよ、抱きついて寝てろってw面白すぎやろw
「聞いてんのかワレェ!?」
「ん?僕に言ってたの?ごめんね、気付かなかったよー。帰ってって?やだよーこれからダンジョンなんだからーあっちいっててくれるー?」
「何だと!?調子に乗ってやがるな!?そんなんじゃダンジョンでやられちまうぞぉ!ワレェ!」
「大丈夫だよ。今日はちょっとだけテンションが高いだけだからさ。安全は確保しながら行くからだいじょーーぶ!」
「ホントかぁ?ポーションとか忘れてんじゃないかぁ?忘れ物一つで命取りだぜぇガキィ!」
「大丈夫、大丈夫!じゃー行ってくるねぇー。」
「命大事にしやがれよー!」
「はーーい。」
おぉん、こっちもテンプレ無駄に口が悪い優しいチンピラだーー!いやいや、これもテンプレではあるけど希少やでー。まぁそっちもそっちで関わりたく無い輩ではあるからこっち来なくて良かったけど、受付嬢も周りも注意しなかったのはいつものことなのだろうなぁ。
人生損してるんじゃないのかなあの人。まぁロールプレイの可能性もあるし俺が気にすることでも無いかー。
そう思いながら設置されている『予約している方、専属受付嬢がいる方用発券機(探索者申請はそのまま受付に並んでください。)』と書いてある機械で操作し始める。
えーっと?専属受付嬢がいて、名前は城之内さんっと、お、今回は三階の305まで来てくださいだってさ。
さーてエレベーター乗って三階まで行くどー
チーン、ガーーー
うわぁー、こんなに会議室が並んでいると逆に綺麗だなぁ。えーっと、305、305〜っとあったあった。
コンコン
ノックして入るのは当たり前だよなぁ〜
「はぁ〜い、どうぞ〜、入って良いですよ〜。」
「失礼しま〜す。」
「どうぞ〜お座りくださ〜い。」
そう言われて城之内さんの対面に座る。
「では、まずギルドカードをお渡ししますね〜。こちらになります〜。」
「有難うございます〜」
そう言われて渡された青いカードには俺の名前とランクDと言う文字、ICチップ、そして裏を見るとよく見かける黒い線があった。
「ギルドカードの色は〜ランク毎に決まっておりまして〜渓様にはあまり関係ないですが〜ランクFまでは白色で〜ランクEは赤色〜渓様のランクであるランクDは青色で〜それ以降は〜Cは銅〜Bは銀〜Aは金〜そしてSランクはプラチナ色になってます〜」
「良いですねぇ〜やる気が上がっていい感じですよ〜」
「うふふ〜沢山狩って狩ってランクを上げていきましょ〜ね〜」
「はぁ〜い」
「うふふ〜」
「おっと、これを貰ったってことはこのままダンジョンに行って良いのですか?」
「ええ〜大丈夫ですよ〜これから行くのでしたらこちらの依頼を受けてみますか〜?」
「んん〜受けたい所だけど俺って自由にやりたいから何を倒さなきゃ〜とかは決めたくないんですよね〜。コイツを倒したからコイツの依頼ありますか〜的な事をしようと思ってたのですが……」
「ええ〜それでも大丈夫ですよ〜確かにそうした方が自由に探索するのでしたらよろしいですね。では、こちらをどうぞ〜」
「これは?」
「探索者ウォッチと言って基本的にやれる事は販売されている物と同じですが、これは他と違い『ダンジョン内のマップを記録出来る』機能を持っています。これは探索者の人全員に渡しておりまして、ランクが上がるために必要な物ですのでダンジョン内で必ず着けて下さい。」
「もしかして……GPSとか盗聴器ついてます……?」
「GPSは付いていますけど盗聴器は付いてませんよ〜しかもGPSはダンジョン内でのみ機能しますので日常では機能しません。」
「良かった〜安心して暮らせます〜」
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