第12話
お互い見合って、その場から動かない……なんて事はなく、ゴブリンは馬鹿みたいにゴブゴブ言いながら向かってくる。
「GAAAA!!」
一体目がようやく目の前まで来て棍棒を振り上げるが、俺はそれを逆袈裟斬りで左下から振り上げて斬る。ここまで無防備だと目を瞑ってでも勝てそうだが、俺は戦闘において絶対にナメプはしない。
一手間違えただけでお陀仏なんだ。ふざけてる暇なんて無い。
ちなみにやれる事を縛ってやるのは、ナメプではない。その時その場で出来る事すべて尽くしてやるが、これは戦闘は戦闘でも情報戦と言う戦いなのだ。下手に情報を見せれば自由が無くなる。そんなのは勘弁だ。
一刀流・首盗
こいつら程度月弧を使うのは勿体無い。ゴブリンに美しい技を使いたく無い。って理由で使わないのはナメプになるだろうか。
ま、そんな事はどうでもいい。
目の前まで近付いて来たゴブリンとその後ろにいる奴を少し右前に移動して首を切る。単純な事であるが、首の位置を調整するのが面倒である。もしこれがコボルトやスケルトンならこうはいかないだろう。
コボルトなら二体目が第六感でギリギリ避けるだろうし、スケルトンはゴブリンと違って驚く事はなく、移動した俺に向かって剣を振り上げて位置がズレる。
正直、人間味が強くて知能が低いゴブリン程戦い奴は多分いない。
おっと、色々考えてたら左右から跳びかかってるじゃないか。
ここでセオリーで行くならかがんで前に出るが、俺は違う。
一刀流、袈裟斬り・改
普通の袈裟斬りは斜め45°付近を斬る物だが、勝手に付けたこの改は、更に横倒しにして、切り終わりに左手を離す。通常、手を離すのは危険だからやってはダメだが、こうする事で……
一刀流、逆袈裟斬り
瞬時に身体を回転させて、中途半端に斬っただけのもう片方のゴブリンを斬れる。
正直、両足両手をちゃんとした型通りの袈裟斬りは、自分的には次の動作が遅れるから、あまり好きじゃない。
いや、使い手の問題なのだろうが、俺は使わない。だから勝手に元ある型を崩して使っているのだ。どんな物でも基本と言うのは大事なものだ。昔はそれが分からず基本を疎かにして、その時の剣の使い手にボコボコにされたっけな。
悔しくて悔しくて、あらゆる書物を読みまくって基本を覚えたっけなぁ。懐かしい。
そんで、リベンジだぁーってなった時にはソイツは、シリアルキラーに殺されていた。
勿論、大々的に八つ当たりに斬ってやった。ソイツは別に剣だけを使う奴ではなく、暗器やら飛び道具やらの達人で、剣だけを使う方の使い手はギリギリまで粘ったそうだが、一歩足りずにやられてしまったそうだ。
後から調べてみれば、剣の使い手は人は良かったが力試しを色んな人に仕掛けて、一部の者に恨まれていたそうだ。その恨みを持った人の中にいた貴族の息子がその暗殺者を雇ったそうだ。
何故知ってるかって?勿論、そのバカ息子が別の暗殺者を雇いやがったんだよ。返り討ちにしてやって無理矢理雇い主を吐かせたんだ。バカ息子にもちゃんと復讐してやった。親が出てきて殺しは出来なかったがね。
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