第10話

『え、え、では、次の試験に移ります。次の試験は、ダンジョンウルフ…えっと、申し訳ありません…少々お待ちください…』


おおう、なんか想定外だったみたいな反応だなぁ…過去に一撃エンドは経験してんじゃないのかな?

ん〜、考えられることは、その一撃エンドした人ってもしや、魔法でかな?物理で一撃はないのかな?やっべそれ聞けば良かった。


注目されないだろうなぁって思ってやったけど、あ、でも考えてみると試験官二人とさっきの受付嬢しかいないんなら被害は少ないぞ。


『お、お待たせして申し訳ありません。次の試験に移りたいと思います。次はダンジョンウルフ5体です。数は多いですが頑張ってください!』


『開始!』


おぉ、五体!多いのか?

まぁ狼は群れてからが本番だからなぁ。


一刀流、秘剣、飛剣!


スカッ


「グルルゥ」


おや?あ、そうかこれホログラムだから遠隔は無理か!忘れてたわ。ホログラムなのに何故か切った感触あって勘違いしてたわ。


馬鹿だなぁ。



一刀流、月弧ォ


ダンジョンウルフが一体の時に使った、【首盗】の応用技だ。一旦、流足(自分流の歩行術)を使ってウルフ二体の真ん中に入り込んで、肘と肩を使ってっしたから上、そしてそのまま右の首も獲ったと言うことだ。



だから月弧、月の輪郭を沿って切るからそう名付けた。ゆうて一刀流なんてただの我流だし名前なんてどうでもいいけどね。


それよりも…


ウガアアアアァァァアアア!!


ほいほいっと、まるで氷上のフィギュアスケーターやーってもてはやされる程度に左右、斜めから来ていた三体を避けつつ下がる。


ここで違う剣術を見せてもいいが、正直この機関にそこまで見せていいかどうか判断するか以前の段階だ…


ここからはボーナスタイムは終了だよ。ギルドさんよ。


一刀流、首盗


単純な首盗を三回繰り返すだけの単純な連続攻撃をすればええ。だが、こいつら程度一撃だ。


斜めから噛み付いてきた奴を見ずに切って、って言ってもこいつらに気配は無い。だから動きを予測して動くだけのことだ。実際は避けた時にこいつの隣を沿って動いていただけだが、1番効率的だ。


ウルフなんて勝手にこっちにきて勝手に噛み付いてくるただの野良犬だ。ほら、二匹ともこっちに来た。


最初は首盗を連続で打とうとしてたけど結局こっちは見せてるしこっちの方が早い。


一刀流、月弧


もう今日で「一刀流」って言葉何回使っただろうか。正直使いまわし過ぎな気もするが、刀同士の撃ち合いをしてるわけじゃ無いんだ。と言っても技を口に出してるわけじゃ無いから試験官には黙って首切ってるだけに見えるだろう。


え?こわwそう考えると無言でスパスパ首切ってる俺ってただのサイコパスなんじゃないか?

技を口に出す人は異世界には結構、いやほとんどの人がそうだったけど、ダンジョンもなかった日本でぬくぬくしてた俺からすると「えぇ…厨二病かよ…」って思う。


え?結局技名つけてるんだから厨二病なんじゃ無いかって?確かに!?

ずっと技名をつけて自分の中でどうするか分かりやすく、そしてそれがうまいこと決まってこのやり方は、こう名前をつけて使っていこう!ってな感じで名前をつけて得たんだが、これって厨二病か!?


まぁそれでもいいか。名前をつけるってカッケーって心のどこかでは思っているんだろうからさ。


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