第9話

「さて、そろそろ実戦になりますが始めても大丈夫でしょうか〜?」


「ええ、もう準備万端です。いつでも行けますよ。」


「では、始めさせて頂きますのでこちらの試験場にお入り下さい。武器は既に中に用意してありますので念の為確認して不備が無ければ声をかけて頂ければ、試験を開始します。」


「了解です。」


「では、行ってらっしゃいませ。」


そう言って俺は試験場に入っていった。

中はまるで闘技場みたいになっており、結構広く戦えるスペースになっている。


体育館位の大きさかな?だからこの施設は外から見たら奥行きが長かったのか。ここまで来るのにエレベーター使ったから一階一階がこうなってるのかな?

三階程度だったから一階は受付、二階と三階が試験場かな?地下もありそうだったし地下は上級試験か何かする所なのかな?


これが試験用刀か…まぁ流石に刃は無いか、有ったら逆にヤベーからなぁ。と言うよりこれ、鉄金属か…?金属にしては軽いけど金属っぽい光沢と触り心地…


なんか判定する為の特殊な…あぁー!これミスリルだ!異世界で使った事あるわ!


にしても試験でミスリルを使うのかー勿体無いような、しょうが無いのか…


いやぁ、だいぶお金かけてるなぁ。儲かってるねぇゲヘヘ


さ、真面目にやろうか。


「ではおねがいします。」


『了解、試験を開始します。』


『まず第一試験、敵モンスターはスライムです。開始して下さい。』


案の定楽勝なモンスターだなぁ。って侮っていると足元掬われるんだよな。真面目にやるか。


ブウンと音を立てて目の前にスライムが現れた。三体出てきた。一体じゃ無いんだ。


ま、真面目にやりますか、っと


スパパッと


『!!?』


おや?放送先の人が驚いてるような声したなぁ。単純に前に出て一撃で並んでいる二体と隣の一体を手首を八の字で回して縦に弧を描いて切っただけだ。

この程度じゃ中級剣術くらいだろうて。


え?まさかこの世界戦闘技術も…


『では、2個目の試験に入ろうと思います。次のお相手はダンジョンウルフ一体です。』


ほうほう、敵対数も教えてくれるなんて大盤振る舞いじゃ無いですかー

後ろに下がっといて観察するか。にしてもスライムはこの世界はネトネト系じゃなくてプルプル系なんだ。


俺が行った異世界はネトネト系もプルプル系もどっちもいたんだけどなぁ。ネトネト系はレッサースライム、プルプル系はスライムって名前だったなぁ、レッサーってついてるけど単純に見た目から『できていないだけ』って言う漢字で付けられた名前だから、名前だけで判断すると死ぬっていう、あっちの世界での諸k」新車ゴロシとして有名だったなぁ。この世界にはいないのかなぁ。



はいはい、気付いてますよっと


ガァァァァって口あけながら突っ込んできても見えてるから。


試験官に見せて差し上げよう。単純に切るのじゃつまらないからね。




「一刀流、首盗」


これも単純、横に出て下に構えていた刀で、上に半月を描くように切るだけ。

難しいことじゃあないが、過去言われたことがある


「なんで上から切らないの?」と


確かにその方が力も入るし、やり易い…わけでもないが、そっちはそっちで別の技があるから分けているんだ、と言ったら「ふーん、別に切り方同じでもいいじゃん」と返されたから、実力で黙らせた。


ま、とにかくだ。なぜ、敵はいないのに何も言ってこないんだ?


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