第5話
「んで親父よ、残りのハーレムメンバーは何処へ?」
「いやぁ〜今日紹介しようと思ったんだけどみんな向こうで用事があって来れなかったんだ。だからまた今度紹介するよ。」
「ほーん。なら俺はこのあと出かけるからな。」
「おう、気を付けて行けよ〜」
「ちょっと!何何にも無かったかのように逃げようとしてるのよ!お父さんに謝りなさいよ!」
おん?このガキャァ逃げようとしてるだとぉ?俺が誰から逃げようとしてるのか教えて欲しい物だなぁ。まあこのセリフを使うとこいつだけじゃなく親父とも言い合いになるかもしれんからやめとくけど、流石に聞き流せはしない。
「はぁ、別に俺のことどう思おうが君の勝手だけど、そうやって何でもかんでも突っかかるといつか面倒ごとになるぞ。今だって親父が俺たちと仲良くさせるためにこう言う話し合いの場を設けたのに、君が俺に突っかかってくるから空気が悪くなってるじゃん。そこんとこどう思うよ。」
「は、はぁ!?いきなり何よ!?」
「俺のこと嫌いだろうがなんだろうが別に良いけどよ。いちいち絡んでくんな。鬱陶しい!俺も嫌いだから安心しろよ。」
「お、おい、渓、言い過ぎじゃ…」
「親父には悪いがその子とは仲良くできないみたいだわ。相性悪いわ。じゃ、俺は出かけてくるんで」
ごめんな親父、せっかく用意した場で気分害させてよ。でも俺分かってんだ。ツンケンしてくるような女の子は、たとえいずれツンデレ少女になったとしてもそれまでかかるツンケンに精神力が持たないんだ。
俺はたとえ些細なことでもイライラが止められないんだ。
返事一つ一つが否定の言葉だったりしたらそいつから退散するほかない。
昔からそうだ、全部嫌な事があると顔にも言葉にも出るんだ。厄介なことに嫌なこと以外は顔に出ない(出さない事ができた)
一時期ポーカーフェイスを鍛えた事があったがこれだけは無理だった。嫌なことは言わなくても良いところまで言って険悪になることもしばしば。
露骨すぎじゃんと言われては治そうとするが無理だった。
そこで編み出した方法は「嫌だができることはなんも言わずやり、できないと思った事は批判覚悟で拒否」と言うことである程度やりやすくなった。
たとえ顔に出ていてもやっていることには変わりがないので文句は出ない。できないことはその場では色々言われても、その後言われにくいから楽だ。
あの娘は玄関で見た当初、今まで出会ってきた女性の中で上位に入るほど面倒な奴だと直感を感じたら、ぴったし予感的中したもんだ。
ツンデレ少女は文章の中にいるだけでいいと分かるよね。リアルでいたら普通に面倒な女でしかない。面倒な女性には変わらないから関わらないって言うのが最適解。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます