第4話

「さて状況を詳しく説明しようか…」


そう言って机に両肘をついて話し出した親父は神妙な顔で言い始めた。


「簡単に言えばさっき言った通りなんだが、俺は昔異世界に行って勇者やってたことがあるんだ。まあと言っても今世に出回っているようなよくある魔王を倒す勇者なんだがね。彼女はその時のパーティーメンバーだった魔法使いなんだよ。」


あ、ありきたりだぁ。ひっっじょうにテンプレだあ。


「って事は、もしかして……もしかしてだけど勇者パーティー全員…………」


「分かるよな………流石にな。テンプレになったもんなこの世の中………そう、俗に言うハーレムって奴だ…。」


「うわぁ………」


うわぁ…としか言いようが無い。



「つまり、親父にはあと何人妻いるんだ?」



「さ、3人だよ…」


「ほーん、親父は女たらしなんだなw」


「いや、笑う時につけるwを口で言う奴初めて見たよ。だってそう言う世界だったんだもの。意図してないのに集まっちゃったんだよ。」


「んで、俺にそれを言ってどうして欲しいの?親父よ」


「たとえ、嫁が数人できて、子供もできたとしても、お前たちも俺の大切な息子たちだと言う事を理解して欲しかったんだ!」


「みんな集めてなんだと思ったらそう言うことかよ。んな事わk」


俺がわざとらしく「やれやれ、仕方ないな」的なジェスチャーしていたらずっと黙っていた吊り目の女の子がいきなり………


「ちょっと!あんたさっきから黙って聞いてたら何!?お父さんが一生懸命あんた達に説明してるのにその態度は何!?バカにしてんの?あんたのお父さんなんでしょ!?真面目に聞きなさいよ!」


ワアオ!イッツアクレイジイガール!


「聞こえてるわよ!何よ!?クレイジーって!?」


「おん、そりゃクレイジーだろ。こちとら家族だから馴れ馴れしく会話してんのに横からいきなり怒鳴られたらそう言いたくもあるだろ。」


「はあ!?」


「理香、大丈夫だ。別にバカにされてもないし、俺たちは家族なんだ。こう言う会話が日常的だったんだ。」


「渓、今更ながら紹介するよ。この子は理香で、もう一人が水華だ。そして妻のエシルだ。」


「よろしくね〜」

「ふんっ私こいつとよろしくするつもりは無いわ!」

「よ、よろしくぅ」


「わかりやすい自己紹介ありがとうございますね〜」


「はあ?何?わかりやすいって?」


「なんでもないよ。」


まじでわかりやすくて助かるわぁ。のほほん挨拶はシトリーさん、ツンケン少女は理香、尻すぼみ少女は水華ってわかりやすいわぁ。

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