第3話
「実はな?お父さん異世界行ったことあるんだ。」
帰宅して早々いきなりそう言われて、へ〜そうなんだ〜凄いじゃ〜んなんて言える人がいるなら今すぐ俺に憑依してほしい。
いや、いや同じことが自分にも起きているんだから驚きはそこまでないけど、それでも驚きが勝る。
親からいきなり俺異世界行ったことあるなんて言われても普通なら、え?お父さん頭おかしくなった?とか、何言ってんの?としか思えないのも現実だ。
自分が同じ体験をしていなければ、だけどね。
「分かる、分かるよ。今、渓が混乱してるのがねぇ。」
後ろから来た兄貴が肩に手を置きながら話しかけてきた。
今、俺はどんな顔をしているのだろうか…。
「まあ、こんな話いきなり言われてもすぐには理解できないよな。続きはリビングで話そうじゃないか。」
そう言いながらお父さん…いや、もう親父と呼んでやろう…は靴を脱ぐ。
いや、その二人の説明はないんか〜い!と心の中で思いながらリビングに足を運ぶ。
「にしても親父よ、もうちょい場所とタイミングを考えないか?帰宅してすぐ玄関でなんて…せめて夕飯の時とか、俺たちを呼ぶとかしてくれた方が良かったんじゃないか?」
と、兄が一言
「いやいや、ちゃんとリビングで話そうとおもんたんだけどさ?案外ただいまって言ったら降りて来てくれたからついでに言っちゃえってね。」
「分かるけどさぁ。情報量多すぎて普通はお父さん浮気してたの!?って言われてもしょうがないことしてるよ?」
そう、親父は既婚者である。写真立てで見たが勿論しれっと親父の後ろについて来てる女性ではない人と結婚しているのだ。
いつから日本は重婚が認められたのだろうか。
そして、10年前まで一般人だと思ってた兄は何故そんなにも隠密が上手くなっているのだろうか…
気配を消して入って来たのは分かっていたから、その時は(多分)ポーカーフェイスで兄に気付いてないふりしたが…
だが、兄貴は親父のこの事を知っていたみたいだな。
「え、う、浮気!?!?お父さん浮気してたの!?」
「してないしてない!!おい!勘違いさせるような事言うんじゃない!この人は正真正銘お前たちの母親だよ!血は繋がってないけどな…」
この状況でなんとなく分かっているが念の為驚いてみたが、母親かぁ。事情があって会えないんだって言われて来たのはこう言うことか。
なんとなく状況は理解して来たけど、タイミングが俺が帰還した日とは…
これはもしかしたらもしかするぞ?
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