第2話

「ただいま〜。帰ったぞ〜。」


 父さんの声だ。10年前…って言ってもこの世界じゃ昨日だけど、なんか早くね?と思いながら部屋を出て玄関に向かいながら


「おかえr………」


 そう、おかえりと言うつもりだったが….


(異世界から帰って来た人は絶対何かしらでトラブルに巻き込まれるのかな?)


 父さんの横には、「あらあら〜うふふ」と言いそうな美人なお姉さんと、吊り目っぽい感じの女の子と、その後ろに隠れたオドオド系女の子が立っていた。


 ん〜実にテンプレ…これ以上ない程、漫画やアニメで出て来そうなありきたりな人物が揃ってるな。


「…………。」


 ポケットゴソゴソ

 スマホON

 電話を起動してっと

 11z……


「待て待て待てっ!電話を取り出してどこに電話をするつもりかねっ!?」


「え?そりゃもちろん警察だよ?」


「いやいやいや、俺が何したと思ってるんだい!?」


「え?そりゃもちろん誘拐でしょ?」


「何当たり前みたいに不思議そうな顔してるんだい!?渓は自分の父親を誘拐犯になると思ってたのかい!?」


「え?そりゃm…」


「もちろんって言おうとしたのかい!?流石に酷くないかい!?後、機械みたいにならないで!?ちゃ、ちゃんと説明するから…」


「え?そりゃもちろん説明してもらうよ?」


「………。」


「あらあら、話に聞いてた通り面白い子ね♫」


 あ、やっぱりあらあら言った。


「ねえ、お母さん。本当にコイツと住むの?自分の父親躊躇いもなく通報しようとしてるのよ?そんな奴と一緒に暮らして平気なの?」


 おやぁ?まさかの吊り目ちゃんは面倒なタイプの人間かぁ?


「あら〜、渓ちゃんはそんな悪い子じゃないわよ〜?おふざけに決まってるじゃないの〜。」


「ふん!」


 ほい、吊り目女子は危険人物っと…

 こう言う奴はテンプレだと好感度を上げればツンデレ少女になるけど、正直こうやって見るとツンデレは物語としてみたら可愛いと思うけど、現実だと鬱陶しい人物でしかないんだなぁ。


俺ってば第一印象である程度対応変えるんよねぇ。いや、それじゃその人の本質がわからないんじゃないかって?そりゃ勿論そうだけど第一印象って重要だよ?

攻撃的なら関わらない、友好的なら愛想よく、無関心なら無関心で接すればある程度人間関係は良好に進めると思っているからね。


勿論、時間をかけて仲良くすれば攻撃的でも無関心でも良好な関係になれるだろう。

が、俺はやらん。労力の無駄。


 絶対好感度的な物上げんでおこ。


「おー、ようやくこの時が来たのかオヤジ。」


 後ろからそう言いながら歩いてくる兄貴がいた。


 おん?まさかまさかの何か重要な事を知らなかったのは俺だけなのかな?

 にしてもこの感じ…

 もしや……?









「実はな?お父さん………。」

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