第11話 初めての門の外
アンジェは、また、嬉しさのあまり、バクバクと食事を食べる。
言われた通り、テーブルマナーで音もならないが、それけだけだ、ただ、一口でギリギリ詰め込み!ギリギリよだれが溢れない、微妙な調和で飲み込んでいく。
(アンジェ〜、太るんじゃね。
勿体ないから、嫌よ!
でも、嫁に行くときには、大きくなりすぎるんじゃない?
王族でもないし、小さくて白い何て私は嫌だわ!
要するに、たくさん食べたいし、外で遊びたいから嫌だと。そうだな!そうと言え〜。
ニヤッと笑うアンジェに、俺達は、肩を落とし涙した。)
お風呂を待つアンジェは、ある計画を立てていた!
ミリーが『コンコン』とならし、お風呂へ呼ばれる。
そこに、
「アニーも誘って、皆で入らない。」
アンジェの提案に、
「何を言っているんですか?
外の時と違いますので、駄目でございます。
「『む〜』と、頬を膨らませて、ミリーは姉様と入ったことはないの?」
ミリーは、
「それは、姉妹でしたから、ありましたけど。
アンジェ様と姉妹というわけではないのですよ。」
アンジェは、
「そう、私はいつも1人なのね。
せめてたまには、アニーとミリーと姉妹として一緒にいたいのたけれど?オヨヨヨヨ、『チラッ』オヨヨヨ。」
わざとらしい泣き真似でミリーを見上げると、
「仕方ありませんね。
アニーを呼んできます。
先に行っておいて下さいね。」
ミリーは、アニーの所へ引き返した。
(アンジェの作戦通りである。
アンジェ、たまには良いことするなぁ、ウンウンと皆で喝采する。)
浴室へアニーとミリーが、戻ってきた。
「ステフ様には、アンジェ様のお話をして、ご許可を取りましたので、本日は3人で入りましょう。」
服を脱ぎ、体を洗う時に、
「アニー、背中を洗ってあげる。」「でしたら私が、アンジェ様のお背を洗いますね。
とミリーが手を挙げる。
(アンジェ、さすがだ。今まで、残念残念とかポンコツって、ごめんなぁ。)
一緒に湯に浸かればアンジェは、「どうしたら、綺麗になれるの?胸が大きくなるのかしら?両手でアニーとミリーの胸を掴むと、
(アンジェの頭の中は、血の嵐が舞っていた。
一体何してるのよ?
お子様には分からない男の性ってやつだ。)
こうして、たまには一緒に入りたいわね。」
「アンジェ様、そんなに触っては駄目ですよ。」
(いかん、考え事してたら、夢中になっていた。
ホントよ、コレは私のものよ!
イヤイヤ、お前の物でもないぞ。
しかし、眼福だなぁ。)
「アンジェ様もその内、大きくなりますからね。」
そして、今日の街で遊んだ事や姉妹での事を話ながら、のぼせたので上がった。
いい気分転換になったので、直ぐに眠りについた。
(アンジェ様〜仰ぎ奉る〜。頭の男どもは興奮してフヤケている。)
翌朝から、朝からは、マクミラン団長の言ってた、持久力の為に、訓練場で、走る走る走るである。
団長から、「慣れてきたら、距離を伸ばして行きましょう。
水分取ったら、腕立てに、スクワットとセットで!」
「腹筋はいいの?」
とアンジェが聞くと
「やりすぎると、腹筋が割れるくらいに筋がつくから程々にしませんとなぁ。」
おう、そこまで気を使っているとわ。
(しかし、持久も走りすぎると、胸大きくならないよね〜。
スクワットも足が太くなるよね〜。
えっ、そうだったの!アンジェのやる気メーターが下がっていくようだ。)
程々が1番である。
お昼のお茶の時間で、明日からはもっと手を抜こう!と誓うアンジェだった。
午後からは、ダンスのレッスンで、アニーが先生だった。
また、汗だくのてんこ盛り
「アニー、優しかったあの頃へ戻って・・・」
「アンジェ様、何も変わっておりません。何を人聞きの悪い!
明日は、机に向かって勉強ですから、汗は心配ないですよ。」
アニーからの知らせに、
「良かったわ。視察に影響があっては心配だもの。」
着替えが終わると、食堂へ向かった。
食後に、ステフから、
「アンジェ、昨日はどうでしたか?
アニーとミリーと一緒に入ったのでしょう?」
「アンジェは、姉妹とは良いものだと思いましたわ。食卓にも、皆で食べたいくらいに、皆が家族だと思っているわ。」
ステフは、
「そう、それは良かったわね。
まだ貴女は一人っ子だから、仕方ないでしょう。たまには、良いでしょう。
ですが、侯爵様の城郭都市や王都では、それは叶えられない事もわかってね。」
「分かっているわ。お母様も心配性ね。」
エドも、頷きながら席を後にした。
残念だが入浴は、今日はアンジェと手伝いがアニーだった。
その後は、疲れたのか、ベッドで眠りについた。
明日が、視察だぁ〜!と元気よく起き上がると、アニーが呼びに来た。
「アンジェ様、先ずは体力作りの為に、走りますよ。その後は同じく、腕立てとスクワットですね。」
『いやいやいや』、とアンジェが首を振る。
「昨日は、今日は机で勉強って聞いてて?
間違いじゃないのアニー?」
「いえ、間違いじゃないですわ。
マクミラン団長から、体づくりは、毎日朝にやるように、言付かっていますので、今日もやらせて頂きますわ。」
なぬ!部活なのか体育系は遠慮したい。と思っても支度は進む。
それから、午後からは、礼儀作法と社交での作法を詰め込まれた。
(いつか、役に立つだろうから覚えとこ〜。アンジェも、覚えろよ〜。
無理ね!家族以外は、おじさんとおばさんでいいんじゃない?
アホである。)
「よ~し、朝だぁ!待ちに待った朝だぁ!」
ミリーが呼びに来て、モグモグモグッ、ゴックンと素早く食事を取り準備に入る。
(決してパクパクパク、コクッではない。
エドとステフの目が冷たく顔が、引いていたが、アンジェの通常運転ならば今日は誰も止められはしないだろう。
なっ、アンジェ。
うっさいわね!忙しいのよ、黙りなさい!
ハウスッ。『クッ』誰が犬か!余計なことばかり、覚えてやがる。)
アンジェの支度をアニーとミリーが、手伝ってから、今は2人を待っている。
しかし、スカートの下には、アンジェ用の短剣が両足に仕込めるようになっていたがそんなに危ないのか?と出発を待つ。
「お待たせいたしました。さぁ、参りましょう。」
アニーとミリーが来たので、馬車に乗る。
エスコートは勿論、お父様だ。「お母様、行って参ります。」
と手を振るアンジェに、
「気をつけるのですよ。エドの言う事を守るのですよ。」
とステフは見送る。
お父様にわたくしとアニー、ミリーに護衛で、マクミラン団長に兵士10名とカミラ政務官が同行する。
ハンス副団長(団長と同じく大きい熊だ。)とワイズ参謀(銀髪のメガネ、やっぱ参謀はネガネだよね〜。)は、お留守番だ。
中央広場を通り、領民へ窓から手を振る。
「アンジェ、カーテンを開けているのだ、そなたも笑顔で応えてやりなさい。」
アンジェも、ニッコリと手を振ると、見知った顔に出会った。
セト達だ。
(アンジェ、セトとエル達が少しビックリした顔してたな。アハハ。
次も、一緒に遊んでくれるかしら?
アンジェなら、大丈夫さ。)
門を出ると、王都方面へ進路をとると、平地が広がっていた。
そこには、農家の集落と畑があり、離れた場所には柵で家畜を育てていた。
馬車が通るように整地され、奥にはカスタール男爵、エンドール男爵に分けられているそうだ。
「お父様、国境は大丈夫なのですか?」
エドは、
「侯爵様の領地は広いから、ここのハイド伯爵様からも兵を出してもらっている。
盗賊が出ることもある。まあ、ここは盗賊より獣や魔物だろう。」
近くの畑に着いて、
「さぁ、早速見に行くわよ。」
アンジェが、飛び出すように、走りだすとアニーとミリーにマクミラン団長及び兵士5名が続いて追いかける。
一面の麦畑をタッタッタッと見て回り、『スボッ』と出てくると隣の畑に入り込んていく。
3面程駆け回って、立て尽くすアンジェに
「アンジェ様〜、1人で余り遠くへ行かんでくれ〜。」
とマクミラン達が、近づいてくる。
アンジェは、
「アニーとミリー!兵を2人ずつ付けて、野菜の状況も見てきてっ!」
(土に元気がないみたいだな。
この世界に、微生物がいるのか分からないが。
立枯れしている所もあるわ。
アニー達が戻るまで、少し掘って確認して見るか?)
「そうね。」
とアンジェは、土の場所を、変えながら掘っていく。
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