第2話 参戦 その②
「あ、ああ…」
こ、ここは…?
目が覚めると、俺はLEDライトによって照らされている部屋のベットの上に寝かされていた。
か、体が痛い…
ここはどこだ?なぜ今ここにいるんだっけ…
確か、道場で素振りしてたら、ウェポンアーマーに道場を壊されて…そうだ…
そしたら、ウェポンアーマーに殺されそうになったけど、他のウェポンアーマーに助けられて…
それで…それで…
「真理!!!!」
俺は起きるのと同時にその幼馴染の名前を呼ぶ。
改めて周りを見回すと、窓のない部屋の中で目覚めたようで、なぜか狭苦しい威圧感のようなものを感じる。
ど、どこだここ…ベットが俺の分しかない…
緊急医療室なのか?
とりあえず、俺は足元にあった紙製のスリッパを履き、部屋の外に出る。
扉を開閉し、俺は外に出ると、どこまでも続く通路に出た。
「な、何だこれ…」
俺はまるで別世界に来たような感覚だった。
なぜなら、終わりが見えないのだ。
白い壁の通路に一定間隔で、俺が出たような扉がついていた。
ますますここがどこだかわからなくなるな…
俺は自分のでた扉を離れ、歩を進める。
歩けば歩くほど、ここが本当に現実なのか、疑わしくなってくる。
いつまで経っても同じ風景。
まるで終わりのない迷宮だ。
そこからしばらく歩くと、歩いている方向の右側にいきなりエレベーターのような物が現れた。
鉄製で作られており、そのエレベーターは鏡のように俺の全身を写す。
「こ、これに乗ればいいのかなぁ」
俺はエレベーターについている一つしかないボタンを押した。
ボタンを押して、そこから1分ほど経つと、エレベーターのランプが光る。
そして、ランプが光った直後、鉄製の扉が開く。
エレベーターの中には全身の写る鏡が取り付けられており、入り口あたりに1〜59の数字が刻まれたボタンが光っていた。
ボタンは入り口の左右の至る所に設置されていて、なぜか60の数字だけが光っていない。
俺は60の数字が気になり、押してみるが、特に反応は無かった。
何だこのボタン?
俺が気にしたその時、首にかかっている母の片身の蒼い宝石が輝き出したのだ。
「な、何だこれ!?」
俺は驚きながら、首にかかった蒼い宝石を取り出す。
蒼い宝石は透き通るような何かの結晶と、鉄の枠組みによって形成されているブレスレットのようなもので、決して電池などによって光るはずもない。
ならなぜ今光っているんだ?
俺がそのことを気にしていると、先程まで光ることの無かった「60」の数字のボタンが光りだした。
それはまさに魔女が持つようなランプの如く、怪しい点滅をした後、鈍く光る。
誘い込むように、鈍く光る。
…………何か、あるのか?
俺はそう思い、60の数字の刻まれたボタン震える手で押した。
この先に何かあるのかもしれない…
そう思って押すと、すぐに、ガクン!とエレベーターが下方向に向かって動き始めた。
ここって地下だったのか…
静かに動くエレベーターは時間が少し経つと、速度を落として、静止した。
やがて、エレベーターの扉が開く。
開いた扉の先、何か、不気味というか不穏というか…
ゾワゾワするような感覚が身体中を走った。
「な、何だこれ…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます