第2話 信者

大量のパンとおにぎりを配り終えた後、美術室で会話が盛り上がる。

少し美術室内を眺め、ブドウジュースとパンを食べる。

その様子を見た一人が呟く。

「イエス・キリストだ。」

この一言で美術室内がどっと盛り上がり、

「教祖様!」「教祖様!」「教祖様!」とコールがかかる。

俺は、「教祖」でお前らが「信者」かと確信した時、立ち上がり、「俺が教祖の樋上でお前らが俺の信者だ。」と答えた。

この時、信者の頭が下がり崇めていた。

快感が背筋を通って全身に感じる。

もっともっと崇め、拝め、信じ、俺を讃えろ。

ー数日後ー

買い物帰り、バスに揺られ窓の外を眺めているといじめられてる娘がいた。すぐ近くのバス停で降り、いじめられてる娘に近づき、いじめっ子の写真、動画を撮り、「拡散されたくなきゃ、どけ」と言い、写真と動画を見せる。相手は、焦ったのか逃げていった。

いじめられてる娘に手を差し伸べ、「助けてあげよう、こっちにおいで」と囁く。

後から分かった事だが同じ高校で不登校らしい。

「昼休みに美術室に来るといい」と言い残し、帰った。

昼休みの美術室にノックがかかる。

「誰だ?」信者の一人がドアを開ける。

前に助けた娘だった。

「君、名前は?」

娘は、「天野真莉愛です。噂は聞いてます、ここって…」

「あぁ、そうだよ、名前は特に決まって無いけどね、君みたいな未来ある娘が来るところ」と答える。

「入ります、入信します。」

美術室が拍手で包まれた。

信者一人獲得。

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