世界が綺麗だと、ないた、

恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界

世界が綺麗だと、ないた

 昔も今も未来も。ある。

 音楽を聞いていて思った。

 主旋律もただのリズムを刻むだけの音でさえもそれらすべてを含んで成り立っている。


 では、この世界はどうか。

 昔からずっとある。

 様々な触れるものにたくさんの物語が詰まっている。

 それは様々だ。作る人だったり、それを望んだ人だったり、それを設計した人ったり、その素材を採取したものであったりもする。

 そのときにも、過去から使われてきた技術、文字、数学、物理、心理学、文学、たっくさんの物がある。


 それがたった一つのものに含まれている。

 今、周りを囲むものはどれほどに膨大な物語を包容しているのか。今まで自身の物語に触れてきた物は。


 たくさんの想いが、願いが、憂いが、悲しみが、楽しみが、幾重にも幾重にも語り尽くせないほどに重なっている。

 緻密で荒々しくて。


 そんな物語の中で私達は生きている。

 そんな私達の中に物語はある。


 これは恐ろしいほどに鮮やかで、綺麗だ。

 私は、泣いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

世界が綺麗だと、ないた、 恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界 @Nyutaro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

同じコレクションの次の小説